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西島・元総長死去 教育行政・研究に功績

2010.09.17

1985年から91年まで京大総長(第21代)であった西島安則・名誉教授が虚血性心疾患のため京都市内の自宅で9月3日、亡くなった。83歳であった。

西島氏は京都大学工学部の出身。高分子化学における分子運動や分子配向性などの研究で成果を上げた。「蛍光法」や「フォトルミネッセンス時間分解解析」などの独自の研究手法を開発し、高分子光化学・光物理の創始者であると言われている。

また西島氏は大学・教育行政に大きく関わり、学生部長、工学部長を経て、京大総長在任中の1991年には教養部を廃止し、代わりに新しく総合人間学部と大学院人間・環境学研究科を設置。それに伴い、教養課程と専門課程に分かれていた課程制から、全学共通科目と専門科目からなる科目制への再編を行った。その他、留学生センター設置、博士制度発足、統合情報通信システム(KUINS)の構築などに取り組み、京都大学の方針転換につながった。

学外においても、当時の共通1次試験から大学入試センター試験への移行や、現在、前期・中期・後期と分かれている国公立大学2次試験制度のもとを築くなどの試験制度改革に携わり、また学術・文化・教育における国際協力・国際交流にも寄与した。

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