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堀場製作所がホール命名権 京大で初 約1千万円の収入か

2025.04.16

京大は、堀場製作所が国際科学イノベーション棟シンポジウムホールの命名権を得たことを明かした。京大は契約金額の回答を控えたものの、募集要項ではネーミングライツ料を年額330万円以上と定める。契約期間は3年間で、990万円以上の契約金が発生するとみられる。昨年3月に学内規程に則り導入したネーミング事業で、企業が京大の施設の命名権を得るのは初めて。本紙の取材に対して、堀場製作所は京大からの声かけがあったと明かした。

京大によると、国際科学イノベーション棟シンポジウムホールの別称を「HORIBAシンポジウムホール」と定め、4月1日から使用している。

堀場製作所は分析・計測機器を販売する株式会社で、京都市南区に拠点を置く。会長の堀場厚氏は1月1日付けで京大の運営方針委員に任命された。

堀場製作所は本紙の取材に対して、「長く良好な関係性を維持している京都大学様からお声がけ」されたことをきっかけに応募したと説明する。2023年には京大と包括協定を締結して学内公募型共創研究を進め、年間最大1億円を10年間支援している。また、若手研究者を表彰する「堀場雅夫賞」を03年に創設し、今年10月の授賞式はシンポジウムホールで開催予定だったという。

京大はシンポジウムホールの命名権に関する募集要項をホームページに掲載し、1月に公募した。本紙が応募数を問うと、京大は明言を避けたうえで「特に関心を示した企業からの提案があった」と回答した。審議は、施設や財務を担当する理事らからなる選定委員会が担った。京大は、審査の基準について「希望する理由や対象施設との親和性、地域貢献の実績などを評価し総合的に行った」と説明した。

昨年本紙の取材に対し、京大はネーミングライツ事業の目的として新たな収入源の確保をあげた。収入は施設等の運営、維持管理等に要する費用にあてるという。なお、京大によると現時点で他施設での導入は検討していない。