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〈Topic ’24〉簡素さより出づる美 義政の夢 銀閣寺 秋の特別拝観

2024.12.01

〈Topic ’24〉簡素さより出づる美 義政の夢 銀閣寺 秋の特別拝観

本堂(左)、東求堂(右)

10月1日から12月1日まで東山慈照寺(銀閣寺)にて、秋の特別拝観が行われ、本堂・東求堂・弄清亭が公開された。

本堂の各部屋には、与謝蕪村や池大雅の襖絵がある。特に蕪村作「棕櫚に叭々鳥図」が見どころだ。蕪村は俳人として名高いが、優れた絵も残している。南国の風景を背後に、叭々鳥が飛び立っていく様子をコマ送りのように描いた、臨場感あふれる絵だ。

東求堂には書院造の代表例である同仁斎があり、違い棚や付書院が特徴だ。歴史の教科書でおなじみの光景だろう。東求堂は造営当時から残存する貴重な建物だ。内部の質感を味わいつつ、足利義政に思いを馳せるのもよいかもしれない。

弄清亭には奥田元宋の絵がある。「流水無限」は人生の変遷を川の流れに喩えた絵だ。亭内では小川のせせらぎが聞こえ、絵画と音声がマッチしている。

義政もここで静かに暮らすことを望んだのだろう。入山料500円に加えて、別途特別拝観料2千円が必要。(鳥)

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