〈京大雑記〉近く訪れるかもしれない学費値上げについて(2014.01.16)

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国立大学の法人化以降、これまで学費(検定料・入学料・授業料)は一定に保たれてきた。だが、近いうちに学費が値上げされるかもしれない。これはそれなりの現実味を帯びた話だと思う。一編集員の推測に過ぎないが、その理由を書いてみたい。

近年、財務省が国立大学の学費について注文をつけていることはご存知の方がいるかもしれない。財務省の下に設置された財政制度等審議会・財政制度分科会が昨年11月に財務大臣に提出した「平成26年度予算の編成に関する建議」の中にそれを見て取れる。該当部分を以下に引用する。

国立大学の授業料についても、授業料標準額から120%の上限範囲で大学において自由に設定できるにもかかわらず、現状ではほぼ標準額に固定化している状況にあり、質の高い教育に向け、効果的な投資や授業料免除、大学独自の奨学金など教育環境に係る取組みにより、学生の多様なニーズ・価値観に応えていくために、授業料についてなおいっそう弾力化することで収入の増加・多様化を図り、当該収入を財源とした多様な教育の取組みを行っていく必要があると考えられる。(※授業料標準額:国立大学法人法に基づき文部科学省令で定められている。現在、大学の学部では授業料53万5800円と設定されている。)

この中では「弾力化」と表現されており、授業料の増額が明示されているわけではないが、「収入の増加」から授業料の増加と見て間違いないだろう。

しかし、以上のような財務省からの圧力だけをもって学費値上げが訪れると言うつもりはない。むしろ、大学側が学費を値上げせざるを得ない状況に追い込まれるのではないかと考えている。

昨年11月、文科省が「国立大学改革プラン」を発表した。そこでは運営費交付金の3―4割を大学改革促進のため競争的資金化することが言われている。(これ自体は第2期中期目標期間中の話だが、2016年度からの第3期中期目標期間で元に戻ることはないだろう。)簡単に言えば、大学改革に関して文科省の言いなりになれば、お金がたくさんもらえるということである。ただし交付金の総額が増えるわけではないから、逆に減る大学も現れるはずだ。

減るのであれば実際どのくらい減るのか、厳密に推定することは難しい。そこで単純に考えて、ある大学で収入の3割を運営費交付金に依っているとして、運営費交付金の配分額が例年の3割減少したとすれば、全体でおよそ1割の収入が減少することになる。1割も減れば普通に大学を運営することも難しくなり、どこかで収入を確保しなければならなくなるだろう。ではどうするかというところで、学生納付金が出てくるわけである。

現在、学生納付金(学費)は大学の収入の約1割を占めている。他に大きな収入源といえば附属病院収入だが、これは簡単に増やせるものではないだろう。

運営費交付金の競争的に配分される額が増え、競争に負けた大学は収入が減る。運営を維持するためには学費を上げざるを得ない。これが、学費値上げが近々訪れるのではないかと考える理由である。

旧来、国立大学の授業料値上げは私立大学との格差是正として正当化されてきた。つまり、高いほうに合わせて安いほうを引き上げてきたわけだ。このことを鑑みると、運営費交付金の獲得競争に勝利し、学費値上げの必要が大してない大学でも、値上げした大学に合わせて値上げすることも考えられる。(朴)

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