ニュース

学部科目でキャップ制検討 上限30単位 来年度以降導入へ

2019.06.16

すべての学部科目の履修について、1学期の登録単位数に上限を定める「キャップ制」を導入することを目指し、京大執行部が、各学部に検討を求めていることが分かった。各年次における計画的な履修を奨励することが目的だという。上限数は、全学共通科目と合わせて1学期30単位を目安としている。来年度以降の入学者からの制度導入に向け、5月28日には関連規則を改定した。今後、各学部が教育事情を考慮して決定するという。

5月28日、京都大学通則18条の改定が教育研究評議会で決定され、各学部における履修登録について、「単位数の上限を定めるよう努めるものとする」との条文が加えられたほか、「特別の必要がある」と認められた場合に上限を超えての登録を可能とする例外措置が定められた。京大によると、単位制度の実質化の観点から、授業外の学修時間を確保することなどを目指して決定したもので、これをもとにキャップ制の導入を検討するよう各学部に要求しているという。なお、キャップ制は、法学部で2004年度から、全学共通科目では2013年度から導入されている。現在は、1学期につき、総合人間学部で20コマ、その他の学部で34単位が、全学共通科目の登録数の上限として定められている。今回、大学は各学部に対し、全学共通科目と学部科目を合わせて30単位を目安とするよう求めている。

改定の背景には、大学機関別認証評価がある。これは、7年以内ごとに受けることが義務付けられているもので、京大は、前回、2013年に評価を受けている。評価を実施した機構の報告書には、「授業外学習時間の確保の検証が不十分」、「全学共通科目の上限設定が高め」と述べられている。こうした評価をふまえ、京大が調査を実施したところ、一部の学生が過度な履修登録を行っていることが分かったため、制度の見直しに至ったという。

キャップ制について、本紙の取材に対し、現時点で導入していない9学部は、「検討中」あるいは「検討を始める予定」と回答した。京大は来年度以降の入学者を対象とする方針で、各学部に対し、今年6月までに検討結果を回答するよう求めているという。今後、各学部は、上限数や導入年度のほか、必修科目や集中講義の単位数を上限に含めるかどうかなどを検討していく。

関連記事