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731部隊論文予備調査へ 副学長「求める会」に回答

2018.10.16

「満洲第731部隊軍医将校の学位授与の検証を京大に求める会」が7月26日に行った検証の要請に対し、京都大学研究倫理・安全推進担当の野田亮副学長が「当該論文に関する調査を実施する」と回答した。

野田副学長は9月18日付のメールで、「求める会」に対し論文の検証に関わる資料を提出するよう求め、それをもって予備調査を開始すると伝えたという。「求める会」が9月26日の記者会見で明らかにした。「求める会」はこれに応じ、問題となった論文を含む41点の関係資料を提出した。

京都大学は「京都大学における研究活動上の不正行為に係る調査要項」第6条において、予備調査では「(1)当該通報がなされた研究活動上の不正行為が行われた可能性(2)規程第11条第2項第3号の規定により示された科学的合理的理由と当該通報がなされた研究活動上の不正行為との関連性・論理性(3)通報があった研究活動上の不正行為があったと推定される時期から当該通報がされるまでの期間が、規程第7条第2項により担当理事が定める研究データの保存年限を経過するか否か」について調査することを定めている。第7条では、予備調査の結果に基づき本調査の要否を決定するとしている。

今回の回答について「求める会」は「当会が要請する検証の具体的措置の更なる一歩であり、画期的なもの」と評価し、今後大学が本調査の実施を決定することに期待を示した。

「求める会」は、1945年に京都帝国大学が医学博士の学位を授与した731部隊の元隊員の学位論文について、論文中の実験が人体実験であった可能性があるとして、大学に検証を求めている。

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