吉田寮の退去期限を通告 「方針」を策定 川添理事主導で (2018.01.16)

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京都大学は12月19日、「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を役員会で決定し、寮生個人へのメールや大学公式サイトで通知した。現居住者を2018年9月末までに退去させることを定める「基本方針」は、学生担当理事・副学長の川添信介氏が作成を主導し、寮務担当の委員会に諮ることもなく決定に至った。寮の運営について自治会との合意の上決定することを約束した確約に反する方針決定を受け、寮生らは翌20日に抗議行動を展開した。(関連記事=緊急特集:吉田寮退去の「基本方針」を検証する

確約に違反、寮生ら抗議


現在の吉田寮は、1913年に建設された木造2階建ての現棟と2015年4月に完成した地上3階・地下1階建ての新棟、同じく15年4月に補修が完了した寮食堂からなる。「基本方針」では、吉田寮の現棟が耐震性を著しく欠き、「極めて危険な状況にある」とし、18年1月以降の吉田寮への新規入寮停止、現在の全寮生の18年9月までの退去を定めた。18年4月時点で学部生や院生の学籍を有さない、研究生や聴講生、科目等履修生に対しては18年3月末までの寮から退去を求めている。新棟居住者も含め全寮生退去を求めた理由について川添理事は、京大の公式サイトで、吉田寮自治会が大学当局に提出している名簿が現棟と新棟の居住者を区別しておらず大学当局が新棟居住者を把握できていないためだと説明している。

また、現棟の老朽化対策については、「収容定員の増加を念頭に置きつつ、検討を進める」としている。退去した寮生については、18年4月時点で学部や大学院に所属する「正規学生の身分を有する学生」にのみ、現在の寄宿料と同額の400円と実費の水光熱費を負担することで住むことのできる代替宿舎を4月以降に用意する。しかし、4年を超えて在籍する学部生や2年を超えて在籍する修士課程の学生といった標準修業年限を超える学生には宿舎を用意しないとしている。

「基本方針」の通知を受け吉田寮生らは12月20日、教育推進学生支援部棟の厚生課窓口で抗議行動を起こした。当局からは田頭学生支援部部長や瀧本厚生課長らが応対し、抗議は14時から7時間に及んだ。寮生らは「基本方針」の撤回を求めるとともに、現棟の安全確保についての歴史的経緯を記した「基本方針」前文の誤りを訂正するよう求めたほか、方針の決定プロセスや予算的裏づけの不明瞭さを追及した。歴史的経緯について田頭氏は、「意見・質問は承った」とだけ答え、具体的な返答や方針を作成に直接関わった理事などへの取次ぎを渋った。また、「基本方針」の策定過程を尋ねられた際に、寮務担当の学生生活委員会第三小委員会が関わっていないことを明らかにした。

寮自治会は策定に関わった川添理事を電話で呼び説明させるよう求めたが、田頭氏は応じなかった。しかし、17時を回った後、田頭氏は態度を一変させ、求めに応じて川添理事に2度電話をかけ寮生らに直接説明するよう求めた。この求めに理事は応じず、文書での質問や少人数の話し合いにのみ応じると答えた。出された質問を田頭氏がメモし、川添理事らとともに返答することを約束し、21時ごろ抗議は終わった。

「基本方針」は12月19日の部局長会議で協議され、その後役員会で決定された。方針の原案は、学生担当理事の川添理事が総長や理事らと協議して方向性を決めた上で作成したという。大学当局はこれまで、吉田寮自治会との間で、寮の運営について一方的な決定を行わず寮自治会と合意の上決定すること、寮自治会が希望する団体交渉に応じることを確約書を交わし約束してきた。しかし川添理事は就任以降、前理事が署名した確約書の内容を承認しないとして、団交ではない少人数での話し合いにしか応じないことを表明している。今回の方針作成に際しても寮自治会との話し合いを持たなかったため、寮自治会は12月26日付の抗議声明で「基本方針」の策定が確約に違反すると批判した。

参考

  • 吉田寮生の安全確保についての基本方針
  • 吉田寮自治会の抗議声明
  • 吉田寮自治会公式サイト
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