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経済4回生、薬物所持で逮捕 再発防止策徹底のさなか

2009.11.08

10月23日午後2時、大阪府警高槻署は覚せい剤の所持容疑で京都大学経済学部4回生の吉岡風志容疑者(28)を逮捕したと発表した。これを受けて同日午後6時に本部事務棟で、西村周三理事、大西珠枝理事、八木紀一郎経済学研究科・経済学部長による記者会見が行なわれた。

吉岡容疑者が逮捕されたのは10月3日。大学側には10月6日に同署より吉岡容疑者が経済学部に在籍しているかどうかの在籍確認を求められたという。9日に文書で、在籍している旨の回答をするとともに確認がされた事情を問うたところ、初めて薬物所持での逮捕および捜査を続けている事実を知らされたという。大学側はすぐに本人と面会をする努力を開始。12日には経済学部に調査委員会を設置し、八木学部長が直接高槻署を訪ねて本人との接見や情報収集を試みるも上手くいかず、状況を把握することができなかったという。

逮捕の事実を知ってからこの日まで発表を行わなかったことについては、情報が無かったこととこの日警察署が報道向けに発表をしたことで、大学としても現状を報告する必要があると判断したからだとした。

吉岡容疑者は7月23日に左京区のラーメン店で店を出る際ドアを蹴ってガラスを割った器物損壊容疑で京都府警下鴨署に逮捕されていた。この時は容疑者の保護者がラーメン店側に謝罪と弁償をし、被害届が取り下げられたことから、大学としては特に処分などは行わなかったという。

今後、経済学部の調査委員会が改めて事情を調査したうえ、処分について検討していく方針。

京都大学では今年2月にも法学部生が大麻の所持容疑で逮捕される事件が発生。大学生の大麻所持による逮捕が相次いで問題になっていたため、事件を重く見てKULASIS(教務情報システム)やゼミナールの指導教員を通して全ての学生に注意喚起を促す「ローラー作戦」をしていたが、今回の逮捕となった。西村理事は会見の中で「更に突っ込んだ教員からの直接指導が必要」と話した。また来年度からは初年次教育の一環として薬物乱用防止や、法令順守の指導を含めた授業の開講を予定しているという。

事件を受けて、KULASISでは松本総長名で「薬物乱用防止に関する再度の注意喚起」と題された連絡が全学生に送信されたほか、経済学部生に対しては、大麻を使用しているか否か、本人から直接返信させるかたちで確認が行われている。