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高槻農場移転決定 けいはんな学研都市・木津駅東口へ

2009.10.18

大阪府高槻市にある京都大学農学研究科附属農場が、2012年をめどに京都府木津川市のけいはんな学研都市(木津中央地区)へ移転作業を開始することが決定した。2018年までに最終移転を目指す。

9月28日に行われた会合で、農場用地の取得を要請していた高槻市、移転先の木津中央地区を施行する独立行政法人都市再生機構(UR)および京大の三者間で移転についての大枠合意の覚書が締結された。

高槻市の附属農場には弥生時代の環濠集落跡である安満(あま)遺跡が存在しており、かねてから高槻市は農場用地を取得し遺跡公園の造成を希望していた。一方で農場側も施設の老朽化が進み満足な遺跡保護が出来ない制約があった。そこでURから農場の移転候補先として木津中央地区の提案を受け、今回の合意への運びとなった。

現在の附属農場は1928年に開設された。JR東海道本線と阪急京都本線に囲まれた約15ヘクタールの面積を占める。学生の実習や研究が行われている。移転先の木津中央地区はJR木津駅東に造成中の約36ヘクタールの土地である。農学研究科関係者は「住宅が密集した高槻ではできなかった研究ができる」と話す。

移転先である木津中央地区に住む会社員の男性は、「移転の話は何年か前から聞いていたが、造成中の土地のうちどこに農場が造成されるかは分からない」と話した。

今後は三者で譲渡条件などの確定を行い、2011年度末に土地譲渡契約を締結し、2012年度から移転を開始する予定。

研究教育への影響については、「2018年までに移転を完了する。その間の研究教育は高槻から部分的に土壌を移しながら続行する」と説明されている。今後は土地造成や圃場整備に重きが置かれそうだ。



《本紙に移転先の写真・木津駅前の地図・現農場の写真を掲載》