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本部構内正門

2006.09.16

眼前を眺めれば、京都大学のシンボルマークでもあるくすのきが青々とその葉を茂らせ、その後ろには、これもまた京都大学のシンボル的存在である時計台が天高くそびえ立つ。本部構内正門は、京都大学が所有する十個の登録有形文化財のうちの一つだ。
当門は、一八九三年に旧第三高等中学校の表門として造立されたもの。京都大学に現存する建造物としては、第一回目に取り上げた旧第三高等中学校物理学実験場についで古いものだが、幾度か修復を経ているせいか、その古さはほとんど感じられない。
門柱は煉瓦と石が交互に積まれ、左右の塀は煉瓦で造られており、頂部は笠石で飾られていた。一九七九年の工事で煉瓦面はモルタルで覆われたが、当時の姿は踏襲された。よく見ると、日の光を受けてわずかに石面がきらきらと輝き、美しい。
四月、大学受験という苦難を乗り越えた者たちが、この門をくぐる日もそう遠くはない。

本部構内正門