ニュース

工業化学科 改称へ申請 来年度から「理工化学科」に

2023.07.16

京大工学部工業化学科は7月5日、学科名称を「理工化学科」に変更する方針をホームページ上で発表した。変更は2022年度春から学科の英語名称を変更したことに続くもので、基礎化学と工学を融合させ、社会課題の解決を目指す学科の理念を示す狙いがあるという。

「工業化学科」の名称は1914年の学科設置時からのもので、当時の社会要請であった工業との関連性を重視して命名された。93年の学科再編以降、持続可能な開発を目指す潮流のなかで、環境やエネルギー問題に取り組む研究者や技術者を養成してきた。

京大は本紙の取材に対し、学科名に含まれる「工業」という語が「開発を重視し自然を収奪してきたという負のイメージ」を持つようになったと指摘。現在の名称のイメージと、環境問題などを扱う実態との間で齟齬が拡大していることを、改称の理由としてあげた。

京大は変更について、「従前から検討していた」としたうえで、2022年度に英語の学科名称を変更したことから、続けて日本語の名称を変更することにしたと明らかにした。新名称「理工化学科」は「基礎化学(Chemical Science)と工学(Chemical Technology)を連携させて社会の課題に向き合う」学科の理念を示したものだとしている。

12日現在、大学は変更について文部科学省に認可申請中で、受理されれば来年度から学科名を変更する見通し。改称に伴う学生証の再発行など、具体的な手続きの有無について大学は「検討中」だと回答した。