文化

2つのグリークラブが奏でるハーモニー 京都の地で響き合う

2023.07.16

2つのグリークラブが奏でるハーモニー 京都の地で響き合う

「琵琶湖周航の歌」を歌う両団員。中村さんが指揮を振った。

7月8日、京都市北文化会館(北区)で、「第46回東大×京大男声合唱ジョイントコンサート」が開催された。コロナ禍の影響を受け4年ぶりの実施となった本コンサートでは、東京大学音楽部合唱団コールアカデミーと京都大学グリークラブが、両団の垣根を超えた一体感のある合唱を披露した。

コンサートは3つのステージから構成された。第1ステージでは東大コールアカデミーが「男声合唱組曲『水のいのち』」(高野喜久雄・作詞高田三郎・作曲)を歌った。登壇した団員は13人と少人数だが合唱が進むにつれ、歌声はより力強くなった。

第2ステージでは京大グリークラブが「男声合唱とピアノのための『新しい歌』」(谷川俊太郎ほか・作詞信長貴富・作曲)を披露した。この合唱曲群の中には、指を鳴らしたり手拍子をしたりと楽しい演出があった「新しい歌」や、明るい曲調に心弾み、つい口ずさみたくなる「きみ歌えよ」など計5曲が含まれる。「一詩人の最後の歌」では、自らの死を意識した詩人が、神の意思に従って生きてきたことを独白し、神に感謝する様子を、厳かな迫力のある歌声で高らかに歌い上げた。

第3ステージでは両合唱団が合同で「男声合唱組曲『明日へ続く道』」(星野富弘・作詞千原英喜・作曲)を披露した。曲の終盤、舞台上に広がった両団の団員たちによって希望に満ちた歌詞「この一歩のところから/明日へ続く道が始まる」が届けられた。

第3ステージ終了後、観客から溢れんばかりの拍手が送られた。両団の指揮者が固い握手を交わした後、アンコールに応えて、東大コールアカデミーが歌い継ぐ「見上げてごらん夜の星を」と京大グリークラブが歌い継ぐ「琵琶湖周航の歌」が合同で披露された。コロナ禍により合同コンサートの開催は一時途絶えたものの、両男声合唱団の長きに渡る絆は変わらない。なお、本コンサートのアーカイブ映像は京都大学グリークラブのYouTubeにて公開されている。(郷)

コンサートのアーカイブ映像