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元留学生寮 危険物の除去工事へ 市の行政指導により

2023.05.16

元留学生寮 危険物の除去工事へ 市の行政指導により

足場が組まれた光華寮

老朽化が問題となっていた元中国人留学生寮の光華寮(左京区北白川西町)について、危険物を取り除く工事が4月20日から始まった。京都市は2014年4月から、現在の実質的な管理者である京都華僑総会に対し、危険を除去するよう行政指導を行っており、今回はじめて総会が応じた形となる。

市に対する本紙の取材によれば、窓ガラスが割れたまま放置されるなど「老朽化が進んだ」建物の状況に対し、周辺住民から不安の声があがっていたという。14年に施行された「京都市空き家等の活用、適正管理等に関する条例」に基づいて継続的に行政指導を行い、これを受けた総会が工事を開始した。工事期間について、市の担当者は「約4か月と認識している」としたうえで、「確認された危険箇所の数などに応じて変動しうる」と答えた。

光華寮は1931年に学生向けアパートとして建設されたのち、京都帝大が中国人留学生の寮として借り上げた。52年に中華民国(台湾)が買い上げたが、中華人民共和国を支持し自治を続ける寮生に対し、67年に中華民国が立ち退きを求め提訴。台湾と中国が所有権を争う状態が続いている。