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採用予定人数25%が様子見 10年大卒採用見通し調査

2009.01.19

リクルートワークス研究所は12月9日、10年卒の大学新卒採用見通し調査を発表した。新卒採用予定人数を「増える」と答えた企業が8・3%、「変わらない」が50・6%、「減る」が15・7%、「わからない」が25・1%となった。前年に比べると、「増える」と「減る」が逆転し、「わからない」が増加した。

業種別では、金融業で「わからない」が圧倒的に多く48・6%と、様子見のところが多い。銀行・不動産業で「増える」と答えた企業は無かった。逆に建設業・運輸業・サービス業などでは前年より少し減少する程度に留まる見込み。

京大でも「内定取り消し」報道のその後

大卒者の内定取り消しが300何人以上に達しているという。報道では、その多くが非正規雇用切りとセットになって数字が並んでいる。先日、京大でも内定取り消しが出た、というニュースが流れた。しかし、この話には後日談がある。

報道の後、キャリアサポートセンターには、「内定取り消しをされた学生を採りたい」との問い合わせが数十社からあったという。

これをどう考えればよいだろうか。非正規雇用が切られる一方で、大卒の新卒採用ならば、まだ人が欲しいという企業がある。それどころか、未だ採用予定人数に達していない企業すら、実際にはある。

一方、08年12月に厚生労働省が出した11月の有効求人倍率は0・76倍。先のエピソードとこの数字を一緒くたにして考えるのは、間違いかもしれない。しかし、「雇用を守れ」という大きなメッセージには、どうも相容れないように感じる。

企業の中では、新卒採用は将来企業の根幹を成す人材の確保、中途採用は即戦力の募集と、採用活動がパターン化されていると聞く。このパターンからの脱却なくして、多様性のある社会などとは言えまい。 (ち)