文化

〈Campus Pond〉 第6回 宇治キャンパス

2009.01.19

京都の冬は雪こそ降らぬものの寒い。凍える体を押して宇治キャンパスに向かった。

吉田キャンパスから1時間弱のところに宇治キャンパスは位置する。かつては教養部が置かれており、現在では京大の研究拠点へと様変わりした。

キャンパスの北門近くから道路に沿って堀のようなものが見える。歩道からはマツの陰から草木に覆われた水系の姿を拝むことができる。水面に澱みが無いことから、ここには流れがあると容易に察しがついた。この水路は外部と通じていて、行方を追うと北から西へと向きを変えた。やがては宇治川へと通じるのだろう。

少し昔の地図を見ると流れを南に遡ると噴水らしきものが確認できる。ところが、今は噴水はおろか水路に近づく(おそらく私以外にはいないだろうが)ことすらできない。守衛の方によると「今工事中で業者が管理しとるんだわ」だそう。現在、宇治キャンパス内の新交流施設・おうばくプラザの建設中で周囲はフェンスに覆われていた。無念。

この他にも、キャンパス中部にはかつて溜め池があったという。10年前の航空写真では確認できた。現在ではバスケットリングが設置されており、昔の姿はない。ここで魚は釣れたのだろうかと思いを巡らせながら、この日年末最後の営業日となった食堂で体を暖めていた。 (如)