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人環 4月から3専攻を統合 「学術越境」で分野間の連携めざす

2023.04.16

京大人間・環境学研究科は3月27日、2023年度より3専攻14講座から1専攻10講座へ再編することを公式HPなどで発表した。従来の共生人間学専攻、共生文明学専攻、相関環境学専攻の3専攻を人間・環境学専攻1専攻に統合する。また、研究科内に学術越境センターを新設する。

改組の実施は人環の教員公募ページなどで部分的に明らかになっていたが、その詳細が公表されたのは今回が初めて。人環の改組が行われるのは、総合人間学部と一体化した2003年以来20年ぶりとなる。

新設される学術越境センターは、「境界を越えた連携を実現するためのサポート組織」として位置づけられる。研究科内の交流だけでなく、産官学の連携や国際交流の推進も見据える。

公式HPによると、改組の目的は「学術越境」にあるという。文理を問わない多様な学問分野の講座を設置してきた人環が、さらにその学際的性質の発展を図る形だ。

改組前に置かれていた14講座は10講座に再編される。その内訳は、▼数理・情報科学講座▼人間・社会・思想講座▼芸術文化講座▼認知・行動・健康科学講座▼言語科学講座▼東アジア文明講座▼共生世界講座▼文化・地域環境講座▼物質科学講座▼地球・生命環境講座。学生定員の合計は変わらない。

ある人環の教員は、組織改編は「2年ほど研究科内で議論されてきた」と話す。改組については、「昨今の教員数縮小の流れを受け、機能不全に陥る講座や分野が出ることが懸念される」と指摘したうえで、「講座の数を減らし、各講座の構成員の数を増やす」ことも目的の一つだと明かした。