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味の濃い料理と合わせて 赤銅色の「ルビーナイル」 登場

2008.10.23

9月26日、古代エジプトをイメージしたビール「ルビーナイル」が披露された。京都大学・早稲田大学・株式会社黄桜が共同開発したもので、「ホワイトナイル」「ブルーナイル」に続く第3弾となる。味の調整にあたった伏木亨・農学研究科教授は「前者2つとは全然違う方向を目指した」と話す。

京都大学と黄桜が、考古学者である吉村作治・早稲田大学客員教授(サイバー大学長)の指導のもと開発した。既存のホワイトナイル・ブルーナイルと相性の良い料理を避け、比較的味が濃い料理に合うよう味を調整した。試行錯誤のすえ、濃厚な風味(アルコール度数は7%)と豊かな香りを持たせることで、豚の角煮、中華揚げ物、欧風ソースなどの料理に合わせられるようにした。

原材料小麦にはピラミダーレを使用。古代エジプトの在来種でありながら、近代的な多収穫品種と多くの共通点を持つ「非常に不思議な小麦」(河原太八・農学研究科教授)。大量栽培まで時間がかかるため、09年夏までは近似種のデュラム小麦(ブルーナイルの原材料)で代用する。

ルビーナイルの命名は、グラスに注ぐと赤銅色(茶褐色)なことから。発案した女性職員は「レッドナイルでは平凡すぎたし、個人的にルビーが好きなこともあって」と話す。澤田芳郎・産官学連携センター教授は「コードネームは当初『ピラミダーレ』だったが、ルビーナイルの案が出てから一気に広まった」と開発チーム間でウケたことを振り返る。

ルビーナイルの披露と同時に、ホワイトナイル・ブルーナイルの販売本数も発表された。8月までで、前者が14万7665本(月平均で約5100本)、後者が2万7145本(月平均で約2200本)。1本売れるごとに10円が京大へ支払われるため、累計約170万円の収入となる。

《本紙に写真掲載》