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全体合格率4割切る 新司法試験結果 京大、100名が法曹の道へ

2008.10.09

法務省は9月11日、法科大学院修了者を対象にした2008年新司法試験の合格者2065人を発表した。合格率は33%と低迷。また、法学部卒業者向けの「既修者コース」(2年制)修了者の合格率が44%(前回46%)なのに対し、法学部卒業者以外の人向けの「未修者コース」(3年制)修了者の合格率は23%(同32%)と差が開いた。新司法試験制度の根幹である幅広い法曹人材の確保は依然困難であることを示した形だ。

京都大学法科大学院では既習者169人、未修者72人の計241人が受験し、それぞれ84人、16人が合格した。合格者数では全国5位と前回の4位から1ポイント下げた。

新司法試験は今年が3回目。全国の法科大学院を修了した6261人が受験した。合格者数は前回よりも200人ほど増えたが、合格率は第1回48%、前回40%と年々下がり続けており、法務省が目標とする70~80%にはほど遠い。法科大学院の再編・統合、更なる制度改革が取り沙汰されている。
 
毎日新聞によると、9月27日、中央教育審議会の法科大学院特別委員会は、同月30日に公表される中間まとめに「法科大学院全体の規模を縮小すべきだ」と提言する方針を固めた。

合格率低迷や志願者数減少が続く法科大学院には、自主的な定員見直しを要望する。国の諮問機関が法科大学院の規模縮小を提言することは初めてで、各大学院の対応が注目される。

合格者数については、日本弁護士連合会が7月18日、「法曹人口問題に関する緊急提言」のなかで、法曹人口増員のペースダウンを求めていた。

《本紙に図表掲載》