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オスとメスの違い―何のためにあるのか? 日高敏隆氏講演

2008.07.16

6月21日、法経本館第8教室にて女性研究者支援センター主催・性差の科学「雌の戦略、雄の戦略:動物行動学の視点から」が行われた。この日の参加者は約80人。年配の参加者も多く活発な議論が交わされた。

前半は日高敏隆・京都大学名誉教授の講演が行われた。日高教授は、種の保存の目的についてインドのサルの話を例に挙げた上で説明した。メスは新しいオスとの間に子供を設ける際、サルは前のオスとの間に生まれた子供を殺すという。それは、新しいオスが「自分の血の繋がった」子孫を残すのを要求しているからである。この事実から、生物は「種の保存」など考えておらず、性差・性行為の理由も愛し合っているからではなく、 病気にならないため(病気に強い遺伝子を残すため)の結果だと解釈できるとの説明が述べられた際には、参加者から感嘆の声が上がった。

後半1時間は参加者とのトーク。「性差」から話が派生し、やがては恋愛、不倫についての質疑応答に発展。会場からは時折笑い声も飛び出すなど議論は白熱した。

参加者からは「性差の話にとどまらず、恋愛の話もしてくれたのがいい意味で勉強になった」との声も聞かれ、評判も上々だった。

《本紙に写真掲載》