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京大 住友金属鉱山と共同講座 脱炭素を目指して

2022.07.16

京大は7月1日、桂キャンパスに、工学研究科分子工学専攻の田中(庸)・寺村研究室と住友金属鉱山株式会社による産学共同講座を開設したと発表した。2019年から共同で実施してきた、二酸化炭素還元光触媒の共同開発を加速させることを目的とする。

二酸化炭素還元光触媒は、人工光合成技術のひとつ。太陽光エネルギーを利用した光触媒反応により、二酸化炭素を一酸化炭素などの工業的に有用な化学物質へ変換する。二酸化炭素排出量の削減や化石燃料からの脱却につながり、2050年の脱炭素社会の実現に貢献する技術として期待されるという。

田中(庸)・寺村研究室は、光触媒の合成や反応メカニズムに関する技術を用い、環境負荷低減を目的としたシステムの構築を目指している。住友金属鉱山は、粉体合成に関する基礎研究に取り組み、金属ナノ粒子合成技術を活かして光触媒の性能向上を狙う。講座の設置は住友金属鉱山からの申し出で実現したという。

産学協同講座は、企業から資金提供を受け学内に設置される研究組織。京大は報道発表で、「両者が保有する技術の融合をさらに進め、高性能な光触媒材料を創出するとともに、同分野での人材育成を目指す」と述べている。