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戦中写真6万点 アーカイブ化へ 京大・東大・毎日新聞社の共同研究で

2022.06.01

戦前・戦中に撮影された報道写真のアーカイブ化を目指すプロジェクト「戦前・戦中の報道写真を用いたストーリーテリング・デジタルアーカイブのデザイン」初の共同研究発表会が5月18日、東京大で開かれた。京大、東大、毎日新聞社の共同で行われ、京大からは貴志俊彦・東南アジア地域研究研究所教授が参加する。

対象となるのは毎日新聞社の特派員らが日中・太平洋戦争期に中国大陸や東南アジアなどで撮影した写真約6万点。終戦の際、戦争責任の証拠となることを恐れた軍から焼却命令が下されたが、同社の金庫に秘密裏に保管されていた。一部には取材拠点で撮影した集合写真など、当時の報道活動の様子がわかる珍しい記録も含まれるという。こうした写真や関連データを視覚的にわかりやすく整理することで、若い世代に戦争を身近な問題として捉えてもらうねらいがある。報道資料によれば「(戦争について)世代や国境を越えた対話を促し、未来に向けてストーリーをともに紡いでいくことを目指す」としている。

毎日新聞によると、発表会で貴志教授は、ウクライナ侵攻により報道姿勢に注目が集まっていることを指摘したうえで「戦争時に取材陣は一体どのように悩み、取材の中から何が拾われて、何が残されてきたのか。戦争を経験した記者のその後の人生についても、改めて検証したい」と説明した。

アーカイブは戦後80年にあたる2025年の完成を目指している。