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プラスチック 自在に分解 京大など共同開発へ

2022.06.01

京大は5月10日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)・京都工芸繊維大学・静岡大学と、自在に分解可能なサスティナブルプラスチックの開発に向けて共同研究契約を締結したと発表した。プラスチックの効率的なリサイクルや、持続可能な利用の実現が期待される。

プラスチックは安定性に優れ、様々な場面で利用されている。その反面、分解の難しさから一部は有効活用されずに廃棄され、海洋汚染といった環境問題を引き起こしている。こうした問題の解決策として期待されるのは、ケミカルリサイクルという技術。これは、使用済みプラスチックをいったん構成単位レベルに分解し(解重合)、それらを再度結合させる(重合)ことで新たなプラスチックを作るリサイクル技術である。この実現にはプラスチックを自在に分解できることが必要となる。

今回開発を目指すサスティナブルプラスチックは、通常の圧力の下では安定した構造を持つが、高い圧力の下では構造が変化して解重合が促進されるというもの。この性質を利用することで、高い圧力をスイッチとしてプラスチックを自在に分解できると見込んでいる。

この研究は科学技術振興機構(JST)が国の戦略目標に基づき認定したCREST研究領域の研究課題として、昨年10月から実施されており、京大からは工学研究科の古賀毅教授が参加している。今後は、JAMSTECが深海研究で培った高圧技術、京大の持つ高分子物性理論、工繊大の持つ生分解性プラスチック、静大の持つプラスチック分解酵素に関する研究を統合し、研究開発の進展や成果の社会実装を目指す。