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摂食嚥下診療センター 開設 関西の大学病院で初

2022.04.16

京大医学部附属病院は4月1日、摂食嚥下診療センターを開設した。関西の大学病院では初の嚥下専門の診療機関となる。

摂食嚥下とは、食べ物を口に取り込んで咀嚼し、のどと食道を経て胃へ送り込む一連の機能を指す。加齢や神経筋疾患によって嚥下障害が生じると、口からの食事が取れなくなって虚弱や筋量減少につながったり、誤嚥性肺炎になったりする可能性がある。一般に嚥下機能が低下しやすい高齢者が増えている日本において、摂食嚥下診療は社会的ニーズが高いという。

センターでは、内視鏡やX線を使って、嚥下の様子を見る一般的検査以外にも、嚥下圧測定、リハビリ、外科的手術など多くの検査手段と治療を用意している。また、センターは摂食嚥下診療において、地域の中心的役割を担う。摂食嚥下センターは日本全国で13の大学病院で設置されていたが、関西圏の大学病院には置かれていなかった。センターからリハビリを地域の診療所に依頼する一方、各診療所からは手術症例がセンターに集約されるなど、地域医療との連携を強化していく予定だという。

センター長を務める⼤森孝⼀氏は報道発表の記者会見で、「今までは各診療科の横の連携で嚥下診療を行っていた。センター開設後は連携をさらに広く強くしていきたい」と話している。