研究用原子炉 4年後に運転停止 使用済み燃料の引き取り期限を考慮(2022.04.16)

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大阪府熊取町にある複合原子力科学研究所の研究用原子炉「KUR」について、2026年5月に運転を終え廃炉になることがわかった。同研究所の中島健所長と時任宣博・研究担当理事が、4月5日に開いた記者会見で発表した。運営費用の増加や、使用済み核燃料をアメリカへ引き渡す期限が29年5月に迫っていることを受けた判断だ。解体作業の費用は国からの支援を求める方針で、放射性廃棄物の処分方法と合わせて、文部科学省との協議を進めていくという。

KURは複合原子力科学研究所が2基所有する研究用原子炉のうちのひとつで、1964年に運転を開始。中性子を発生させる中性子源として多様な分野の研究に利用され、中性子とホウ素の核反応を利用するがん治療法「BNCT」の社会実装といった成果を挙げてきた。しかし、施設の経年劣化と、福島第一原発の事故を受けた原子力規制強化への対応でコストが増大し、大学での維持管理が困難になっていた。また、核不拡散の観点から、研究用原子炉の使用済み核燃料はアメリカに引き渡す取り決めとなっている。引き渡しの実施期間上、26年5月が燃料の使用期限となっていることを合わせて考慮し、運転停止を決めたという。停止後の研究は代替の中性子源を整備して継続するが、中島所長は会見で、「(KURが担ってきた)人材育成や学生への実験機会の提供に対応するのは難しい」とする認識を示した。

もうひとつの研究用原子炉である臨界集合体実験装置「KUCA」は出力が低く、使用済み核燃料の処理が不要であることから、運転を継続する方針だ。

廃炉の決定について、中島所長は会見の中で、「個人的には使えるなら使っていきたい」と述べたうえで、「施設も古くなり、燃料の先行きも見えない。安全第一で考えると潮時」との見解を示した。


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