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附属図書館 一部業務を外部委託 今年度で学生バイト雇い止め

2022.02.16

2022年度の1年間、京大の附属図書館で窓口業務の一部が外部の業者に委託されることがわかった。1月25日に大学が競争入札に付した。委託予定の時間帯に働いている学生アルバイトの契約は今年度限りとし、更新しない。また、委託に伴い試験期間の閉館を30分早める予定だという。

委託されるのは、学生アルバイトのみで運営する平日17時から閉館までの時間帯と休日の業務の一部だ。ただし、学生が行っている業務のうち、本を請求番号に従って並べなおす配架作業や、返却された図書を戻す作業を業者が担うことはない。また、経費削減のため試験期間の平日の閉館時間が22時から21時30分に繰り上げられるという。

委託を決定した理由について附属図書館は、サービスの総合的な向上や、「社会情勢や災害時、利用者対応など図書館サービスを行う上での安全性の確保」を目指すためだとした。国立大学法人は6年ごとの中期計画・中期目標に基づいて大学を運営しており、2022年度から第4期が始まる。これに伴い、正規職員がいない状態で学生が業務に従事する安全性について、業務体制が見直された結果だという。2023年度以後も業務委託を継続するかは未定だ。学内の図書館のうち来年度に外部への業務委託が行われるのは附属図書館のみ。委託先の開札は3月4日15時に行われる。

附属図書館はこれまでにも、平日の朝9時から10時にかけて、窓口業務等を外部に委託していた。なお、近隣の京都工芸繊維大では、2011年度から窓口業務や図書の管理を業者に委託している。

附属図書館は、雇い止めについて該当する学生に対し「京大の規定に則り説明している」とした。1月27日には、京大の職員組合が学生の雇用を継続するよう求めて団体交渉を申し入れた。申入書の中で、▽業務委託に伴う措置の中に明らかに図書館のサービスを低下させる内容が含まれる▽アルバイトの雇用は学生への経済的支援の側面があり、雇い止めは学生の教育・研究環境の悪化に繋がるとの懸念を示した。業者委託を導入する場合でも、アルバイトの退職者の補充を停止し段階的に進めていくべきだとして、現在勤務する学生の雇用を維持するよう大学に求めた。

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【業務委託の入札公告】