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法学部 学生投票 2年連続成立 学生自治会 J地下開放と休学緩和要求

2021.12.16

新型コロナウイルス感染拡大を理由とした法経本館西ウイング地下(J地下)学生スペースの利用制限の解除や、休学基準の緩和を求め、法学部学生自治会(J自)が11月5日~16日に学生投票を実施した。投票数がJ自規約の定足数である全学部生の10分の3を超え成立、全ての議案を7割以上の賛成多数で可決した。12月10日には法学部教務掛に対し、採決した要望書を提出した。

投票は法学部生のみが接続できるサイトを通して行われた。今回で2年連続の投票成立となる。20年10月の学生投票でも封鎖解除と休学基準の緩和を要求する議案が可決されたが、学部当局からの返答はなかったという。本紙の取材に対して当局は、「要望には必要に応じて検討を行っていく。昨年度と今年度の要望書について、存在は認識している」と回答した。

今回の総投票数は457票。前々回の517票、前回の463票と年々減少しており、投票率も今回は31・4%(有効数字3桁)と、定足数をわずかに超える程度。自治会は学部3回生以上の投票が少ないことを明かし、「意欲的に投票してくれる人がいなかったか、そもそも投票を知らなかった可能性がある」とコメントしている。

法学部学生自治会は、「法学部にその活動の届出をしている私的団体(サークル)」として当局に認知されている。1962年に制定された規約によれば、学生自治会は定例の学生大会を年に一度開くことになっている。学生投票は、同規約14条で学生大会に代えることができる最高議決機関とされており、法学部の各クラスとゼミの代表者からなる自治委員会が必要と認めれば開催することができる。00年以降では02年、12年、20年と今回の4回開催されている。

休学基準はすでに緩和 学生と大学で認識にずれ

当局は昨年4月8日に感染防止対策としてJ地下を施錠し、現在まで封鎖している。本紙による調査では、「法学部サークル連絡協議会」に加盟するさつき会、国際・政治研究会などの団体が施錠以前に使用していた。「J地下は法学部生にとって自主的な活動の場。制限は学生にとって大きな文化的損失」と自治会は訴える。取材に対し当局は「感染拡大防止の観点から閉鎖している。解除の予定や解除基準の設定の有無については現時点では答えられないが、今後検討が必要に思う」とした。一方、J地下の利用に対し、「オンラインでも活動を継続できている。感染症の危険性が認められる限り、封鎖はやむを得ないこと」との声も法学部生から上がっている。

自治会は、法学部が留学などの海外渡航と病気やけが以外での休学を認めていないということを前提に、「学生を個別にケアする環境が整っていないにもかかわらず、休学条件が厳しすぎる」とし、法学部生が心身を喪失しかねない状況は改善すべきと昨年同様に求めた。この主張に対し当局は「病気や留学のみでしか休学が認められない、という前提が違う」と答え、条件が緩和されたことが明らかになった。

法学部の用意する休学願では「経済的事情」「家庭的事情」「その他、修学を3か月以上中断せざるを得ない客観的な事情」の3つを休学の理由として認めているうえ、「教員が面接して事情を聞き取る」と記載されている。自治会は取材に対し、「少なくともこの1年で起きた変更。自治会や学生になんの通知もなく、重大な変更を相談なく行い、それを告げずにいた」と当局の対応を批判した。

学生投票結果
実施期間 2021/11/5〜11/16
会員総数 1456人(12月10日現在)
投票数   457票(定足数437票)

①常任委員会及び自治委員会の承認 
 賛成404 反対22 保留18 棄権13
②予算案承認 
 賛成343 反対50 保留45 棄権19
③休学基準緩和を求める要求書 
 賛成398 反対13 保留30 棄権16
④J地下施錠に対する抗議と要求書 
 賛成369 反対24 保留44 棄権20


■投票率の推移
  
2012年 2020年2021年
32.4%(517/1596) 31.2%(463/1483) 31.4%(457/1456)