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物質・細胞の最先端触れて 旧家でサイエンスカフェ

2008.06.01

5月10日、旧家を活用した催事スペース「ちおん舎」(中京区衣棚通)で、京都大学物質―細胞総合システム拠点(ⅰCeMS)によるサイエンスカフェが催された。市民ら約40名が、味わい深い雰囲気のなか科学談義を楽しんだ。

ⅰCeMSと、同じくサイエンスカフェを進々堂で9回催してきた学生サークル・井戸端サイエンス工房が共催。「見えないものを観る」と題し、タンパク質の可視化を研究する原田慶恵・ⅰCeMS教授を招いた。

原田教授は「魚に赤身と白身があるのはなぜでしょう?」と身近な疑問で興味を惹きつつ、自身の研究分野であるタンパク質について易しく説いた。参加者が実際に、発泡スチロールや針金を用いてタンパク質分子の模型を作る場面もあった。概論のあと、1分子イメージング技術(1分子のみを可視化する工夫)など、目下の研究課題を紹介した。

原田教授は、カフェを終えて「参加者の方々の知的好奇心の強さに圧倒されました。タンパク質のおもしろさが少しでも伝わっていたらうれしいです」と話す。

ⅰCeMS(拠点長=中辻憲夫・前再生医科学研究所長)は文部科学省「世界トップレベル研究拠点プログラム」に採択され、昨年10月に開設された。1月には、山中伸弥教授をトップとしたⅰPS細胞研究センターを設置。ⅰCeMS主催のカフェは2回目。

《本紙に写真掲載》