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京都市、長浜市と連携交流協定 「風雅のまちづくり」目指し提言 人環

2008.05.01

人間・環境学研究科は、現代人が都市で自然環境や伝統を守りながら生きる方法を模索する「風雅の社会科学」の教育・研究プロジェクトを始動、その実地での研究実践のため、京都市及び長浜市と連携交流協定を締結した。4月18日、百周年時計台記念館国際交流ホールで調印式が行われ、堀智孝・人間環境学研究科長が坪内俊明・京都市総合企画局長、川島信也長浜市長とそれぞれ協定を結んだ。

同プロジェクトは豊かな自然や歴史的風情がある都市モデルを計画する「風雅なまちづくり」や、伝統産業や食文化の復興・普及をし、環境教育を通して住民のエコ意識向上を目指す「風雅の環境づくり」等からなる。高橋義人・人間環境学研究科教授を中心に、人環の教員らが推進していく。

協定は、自然環境の現状や市の政策実施状況を調査する際に便宜を図るなど研究しやすい環境を整え、両市をプロジェクトのモデル都市とし研究成果を実際の都市計画に活かしていくことがねらい。人環側が提案、両市が受け入れた。今後、大学院のフィールドワークで市が資料を提供したり、まちづくりに関する研究会を京大と市が共同で開き、京大の研究者や民間の識者、自治体の施策担当者も交えて積極的に意見交流をしていくという。

長浜市が選ばれた理由として、京都と同じく長い歴史と山紫水明の自然環境があり、モデル都市として相応しいからだという。また、いずれ両市から世界に向けてまちづくりのあり方を発信していく際、人口が100万人(京都市)、10万人(長浜市)と、規模の異なる実例を示すことが出来るのは有意義なことだとしている。

具体的な取り組みとして、琵琶湖の環境保全・水質改善や、京都の景観保護などの政策で連携が模索されているが、「今回の調印で一段落したので、夏までを目処に具体的取り組みを定めて動き出したい」(高橋教授)としている。

《本紙に写真掲載》