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西部広場 学生と理事 意見交換会 川添理事「大学として有効に活用したい」

2020.02.16

京大西部構内にある広場の将来的な利用方法を巡り、1月17日、学生と大学側の意見交換会が開催され、大学から川添信介・学生担当理事らが出席した。川添理事は広場について、新施設の建設など具体的な案は「白紙」としたうえで、「大学として有効に活用したい」と述べ、学生は西部構内で活動する立場から要望を提案した。今後、理事らが西部構内を視察する機会を設け、意見交換会を再び開催するという。

会の冒頭、川添理事は広場の活用について「現時点では具体的な案はない」とし、「実際に使っている立場の人の意見を聞いて考えたい」と述べた。課外活動の環境については「今は不十分だという認識を持っている」と述べ、大学全体の意思ではないと断ったうえで、「課外活動に資する形で西部構内をより充実した使い方ができれば」との見解を示した。その後、出席した学生が課外活動の環境に関して、それぞれの所属する団体が抱える課題を説明し、新施設の建設などを要望として提案した。

西部構内には、大学公認団体の活動ボックスや共用室を備えた課外活動棟のほか、演劇などが催される西部講堂、生協ショップルネ、体育館などがある。それらの南にある広場では、課外活動団体や工事業者の関係車両が停められているほか、屋外での演劇が開催される。広場を巡っては、昨年6月に学内の監事監査に関する報告書がまとめられ、「廃車置き場の感がある」と指摘されたほか、「有効に活用する必要がある」との見解が示された。これを受け、西部構内で課外活動を行う学生有志が集まり、昨年10月、学生の立場から広場の将来的な利用方法を検討するべく「広場に関する話し合い」を発足させた。これまで9回話し合いが行われ、学生は現状の課外活動施設がスペースや安全性などの面で不十分であるという認識を共有し、広場を既存の団体だけでなくより多くの学生が利用できる場所として充実させることを目指して意見を出し合ってきた。今後、広く学生に呼びかけ、各団体の要望をすり合わせていくという。

今回学生有志は、学生間での検討を進めるにあたり、大学側の認識を把握するために情報交換の場を設けることを大学に提案した。日程や人数の調整を経て、1月17日に意見交換会が開催されるに至った。大学からは川添理事、佐藤健司理事補ら6名が出席し、学生は大学の意向を受けて出席人数を10名に絞り、氏名や各団体での役職を名乗った。
今後の進め方に関して、川添理事は西部構内の課外活動施設の現状を「直に見たい」と述べ、現地視察の機会が設けられることになった。3月に視察と意見交換会を行う方向で日程調整が行われている。

【資料】2018年度監事監査に関する報告書(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/foundation/audit/documents/h30/h30kanjikansahoukoku.pdf)
7.3耐震化への取り組み 監事意見
■ 西部構内の有効活用
耐震強度が十分でない西部講堂を使用し続けることは危険である。また、西部構内には走行不能な車両などが多数放置されており、さながら廃車置き場の感がある。法人化とともに国有財産を譲り受けた国立大学は、保有する財産を有効に活用する義務がある。学生総合支援センターや近代的な学生寮など大多数の学生のための施設は貧弱な状態にある。また国際化を進める上で外国人研究者のための宿舎も不十分であり、狭隘な吉田地区の土地を有効に活用する必要がある。PFI事業など多様な財源を利用して西部構内の土地を有効に活用することを期待する。