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学生コンペを実施へ 農・総合館の中庭デザイン 初の試み

2008.04.16

農学研究科は3月27日、北部構内の農学部総合館の中庭を整備するにあたり、庭園デザインのコンペ(設計競技)を開催すると発表した。応募資格は「京都大学の学部生と院生」。募集は6月に行われ、最優秀賞には賞金10万円が出る。

農学部総合館の中庭は現在、総合館の改修工事のために一部が資材置き場になっており、その他の部分は木が生えた空き地や公用車駐車場となっている。2区画あり、片方がコンクリート舗装、もう一方は土が敷かれている。

同研究科は、研究や仕事の疲れを癒すためにもキャンパス内に緑の空間を十分に確保することが重要であるとして、改修工事の終了時期に合わせて中庭の庭園化を企画。「農学研究科・農学部にふさわしい」中庭のデザインを学生から募集する。

応募は京都大学・大学院の学生のみに限られ、専門家を含む委員会において7月に審査が行われる。募集要項など、コンペに関する詳細は農学部のHPからダウンロードが可能(http://www.kais.kyoto-u.ac.jp/)。

学内の施設整備にあたって、学生コンペという形で設計案が検討されるのは今回が初めて。発案者である小坂吉美氏(農学研究科等事務部長)は「キャンパスは第一義的には学生のための空間なのだから、学生のアイデアを基に設計を行うのが最も適当なのではないか」という考えだ。小坂氏はまた「コンペの選考過程にも学生を参加させないと尻切れになる」とし、選考過程にも学生を参加させるよう今後の会議で提案すると語った。

設計案の募集にあたっては、学生や教職員が静かにくつろげる場となるように複数の条件が設定されている。「現在の立木をできるだけ活かした空間とする」「遊歩道を整備する」「自動車・自転車・バイクは中庭内に入れない」「座ったり勉強したりできる場所を設ける」などだ。

審査基準は「農学研究科・農学部にふさわしい中庭」。目安として「美しく魅力的なデザイン」・「中庭の利用者や周囲の研究室、講義室等の快適性を考えた機能的なデザイン」・「オリジナリティーあふれる新しいコンセプトの中庭の提案」・「実施設計や実際の維持管理に配慮したデザイン」の4つが挙げられている。

最優秀賞は1点のみ選ばれ賞金10万円、優秀賞は2点以内で選ばれ賞金5万円、アイデア賞が3点以内で賞金3万円が贈られる。
 
小坂氏は次のように語る。「中庭はやはりコンクリートで敷き詰められているより、ペンペン草やらが生えていた方がずっと良いですよね。今のコンクリは剥がすつもりです。あとゴミ置き場。夏場は非常に臭い。中庭から外に動かします。中庭で茶話会や花見がもっと楽しめるようになると良いですね」。

《本紙に写真掲載》