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京大実験島 無断上陸横行 環境破壊の恐れも

2018.05.16

京都大学が所有する実験島・畠島で、レジャー客などの無断上陸が問題となっている。ごみの放置などにより島の環境が破壊されるおそれがあり、島を管理する瀬戸臨海実験所が対策に追われている。

畠島は、和歌山県の田辺湾にある無人島で、1968年に国が買い取り、京都大学の瀬戸臨海実験所が管理している。京都大学をはじめとした全国の大学が実習で使うほか、瀬戸臨海実験所が調査のため利用しており、研究・教育目的以外での上陸は禁止されている。

瀬戸臨海実験所によると、以前から釣りなど研究以外の目的で上陸する人がいたが、ここ数年は特にバーベキューをする人が増えている。個人が所有する船でやってくるほか、マリンレジャーの業者が客を連れてくる場合もある。とくに夏季休暇の時期には多く、ほぼ毎日上陸する人がいるという。

こうした無断上陸は、不法侵入にあたるだけでなく、島の環境保全の面でも問題がある。ごみを島に捨てていく人が多く、机やコンロなども置いて帰る場合があるという。実験所は島の環境を自然の状態に保つため、研究目的の場合でも火気の使用やごみの放置を禁止している。バーベキューでの火の使用や、上陸した人が捨てたごみが生態系に悪影響を及ぼすおそれがある。

実験所では、無断上陸を見かけた場合、注意喚起のビラを渡した上で帰ってもらうといった対策をとっているほか、6月頃から夏休み前にかけて業者にビラを配布したり、地元の新聞に広告を出したりして、問題の周知を図っている。