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京大 指定国立大学法人に プロボスト制構想を評価 文科省

2017.07.16

文部科学省は6月30日、京都大学を指定国立大学法人に指定した。指定理由の一つに、執行部と部局の間で企画を調整する「京大版プロボスト」を指定国立大学法人構想に盛り込んだことを挙げた。構想を実行に移すための経費の一部を文科省が支援する見込みだ。
 
プロボストとは意思決定の迅速化を図るためにアメリカなどの大学で設けられている役職で、学長を補佐し予算の編成権や人事権といった権限を広く握る。しかし今回の指定のために京大が出した構想では、予算や人事の決定権を持つのではなく執行部と部局間で企画を調整する会議を取り仕切る役割を担うとしている。具体的な設置方法や選出方法は今後検討される。
 
指定国立大学法人の選出にあたっては、文科省が提示する条件を満たした大学からの申請を文科省が審査した。申請に必要となったのは、「研究力」と「社会との連携」、「国際協働」の3つの領域でそれぞれ要件を1つ以上満たすことだった。たとえば、「国際協働」の領域では、国際共著論文比率、学部における留学生と日本人派遣学生の割合、大学院における留学生と日本人派遣学生の割合のいずれかが国内10位以内であることが求められた。申請をしたのは、京大のほか東大、東北大、東工大、一橋大、名大、阪大の7大学で、6月30日に指定が公表されたのは京大と東大、東北大の3大学だった。
 
指定国立大学法人は、2016年5月の国立大学法人法改正で新たに制度化された。指定されると、各大学の改革構想に応じた資金援助や規制緩和の対象となる。16年5月から17年3月にかけて指定を希望する大学の公募があり、17年5月以降に文科省の指定国立大学法人部会によるヒアリングや現地視察といった審査が実施されていた。