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京大病院火災 「大学の対応は不十分」 市民団体が記者会見

2017.04.01

昨年7月に病院構内の放射性物質を扱う実験室から発生した火災に関し、京都市左京区のNPO法人・市民環境研究所の石田紀郎氏らが3月14日、大学の対応に抗議する記者会見を開いた。火災の調査に不備があることや住民らへの説明が不足していることを指摘し、適切な情報公開を求めた。

火災発生から10日後に京大は、学内の環境安全保健機構による調査結果を原子力規制委員会に届け出た。この届け出について石田氏は、内容に誤りがあると指摘しつづけてきた。さらに、こうした届け出の誤りの点や調査結果の疑問点に関して、石田氏が出した質問書に対しての大学の対応を問題視した。

8月24日に出された放射線物質の量などに関する質問書に対しては、9月30日に職員が市民環境研究所を訪問したものの、文書での回答はしないと回答があったという。これを受けて石田氏は10月27日、質問書に回答するよう求める要望書を内容証明郵便で学長宛に提出した。11月4日には環境安全保健機構の機構長・大島氏の名義で回答があったが、特設サイトで情報発信をしていることなどを挙げて以後の回答は控えると述べた。石田氏は12月10日にも、放射線管理や計測、ホームページの記述に関して、これまでの回答や特設サイトの情報では不明であるとして、61項目にわたる質問書を提出した。これに対して大学側は12月20日に「再回答」を出したが、以降の大学としての回答は控えるとして、具体的な回答をしなかった。

この火災をめぐっては、「京大研究室火災の情報公開を求める住民連絡会」が適切な情報公開を求め申入書を3度出している。申入書に対する回答のなかで大学は、放射性物質の記録に不備があったことを認めた。連絡会は、住民向けに説明会を開催するよう繰り返し求めているが、大学側は説明会の開催は検討していないという態度をとり続けている。