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府と京大が提携 図書館の相互利用が可能に

2016.10.01

府立図書館と京都大学附属図書館が、所蔵資料を互いに貸し借りできるサービスを8月から試行している。京大生や教職員は、公立図書館の本を1人1冊まで借りることができる。府立図書館や府内の公立図書館では、附属図書館の本を郵送代なしに閲覧できるが、借りることはできない。試行期間は来年3月末までで、4月から本格的な運用を目指す。
 
京大生や教職員は京大の図書館の蔵書検索システムであるKULINEの横断検索からも、京都府立図書館、京都市図書館の蔵書を検索することができ、附属図書館の窓口で申し出れば貸し出しができる。附属図書館にない一般書や郷土資料などを取り寄せることが可能になる。貸し出しは2,3週間で、新刊書は取り寄せできない。
 
附属図書館の本は、これまでも全国の図書館で取り寄せることができたが、郵送代が必要だった。今回、府立図書館が運行する車で附属図書館と公立図書館を結ぶことで、送料が不要になった。速やかに取り寄せることができる従来の郵送も可能であり、カウンターで郵送代を払えば利用できる。附属図書館が所蔵する約94万冊の資料のうち、専門書、研究書など56万冊がサービスの対象で、従来から貸し出しの対象ではない貴重図書、辞書や辞典、統計資料といった参考図書、雑誌は対象外だ。府立図書館のホームページから、附属図書館の所蔵資料を検索して申し込むと、1週間から2週間程度で各地の公立図書館に届く。
 
附属図書館は、去年の夏に府立図書館から提携を持ち掛けられて以来、話し合いを重ねてきたが、京都大学構成員に対するサービスの向上と附属図書館の資料を府民が利用しやすくなることによる大学の社会貢献の意義を考えて、提携に至ったという。9月末の時点で新しいサービスの利用数はあまり多くないが、附属図書館は「今後広く活用していただきたいと考えている」と呼びかけている。