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総人仮承認団体 来年度も存続へ 廃止通告を一部撤回

2016.02.16

2015年12月、総合人間学部当局(以下総人当局)は今年度初頭に通告した仮承認団体の廃止を一部撤回した。総人当局が促した全学公認団体への申請を厚生課課外活動掛が一部団体に対し拒否したことが背景にある。2016年度以降の活動場所の確保が一時危ぶまれるなど仮承認団体の不安定な立場が浮き彫りになった。

2015年6月29日、総人当局は当時仮承認団体の申請をしていた6団体へ仮承認団体という枠組みを廃止することを通告。2015年度末を期限としてボックスの返還を要請した。また、全学公認団体になることを希望する団体には申請を促した。総人当局はこの理由を、これまで受け付けられてこなかった仮承認団体の全学公認団体への申請が今年度からは新規団体という形であれば可能になったためだとする。一方で課外活動掛は、本紙の取材に対し「総合人間学部の仮承認団体としては申請できないが、全学公認団体になる条件を理解したうえで新規団体として申請することは可能である。これは従来の対応から今年度も変わらない」と答えた。

廃止の通告を受け、仮承認団体は2016年度以降に構成員の自由な活動場所がなくなる恐れが生じた。全学公認団体へ新規に申請する条件には使用しているボックスの返還が含まれることもあり、課外活動掛がボックスを提供することはなかったためだ。

6つの仮承認団体のうちピースナビと哲学研究会の2団体は課外活動掛から申請を拒否された。この2団体が中心となって学生有志が総人仮承認団体取消問題連絡会を結成し、7月の情報公開連絡会では申請拒否の理由を杉万副学長(当時)に質問。これに対し杉万氏は「過去に重大な違法行為を行ったため」と発言した。しかし、杉万氏の後任に就いた川添副学長は11月の情報公開連絡会で杉万氏の発言を「適切さを欠く発言だった」として撤回。教育推進学生支援部(旧学務部)で引き継がれている情報から判断すると2団体には公認を認められないという 2015年7月以前の見解に戻るとした。この発言を受けて総人当局は12月9日、2015年度の仮承認団体の申請を受理することを2団体に対し伝えた。

ピースナビと哲学研究会を除く4団体は申請にあたり条件となるボックスの返還を総人当局に文書で誓約。課外活動掛に全学公認団体の申請が受理された。総人当局はこれらの団体に対し1年ごとに申請すればボックスを提供すると説明している。ただ、確約は存在しないため「今回のように突然の通告でボックスが取り上げられる可能性もある」と懸念する当該団体の声もある。

総人仮承認団体という枠組みは1993年に始まる。教養部が解体され総合人間学部に改組された際、旧教養部団体は処遇が決まらず総人当局に仮登録された。総人当局は複数の部局の学生から結成されている団体には全学公認団体へ申請するよう指導し、旧教養部団体だけは処遇が決まっていないため、当面の措置として仮承認団体として扱ってきた。