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京大生協 『京大生の住まい』 留学生マーク廃止

2016.01.16

京大生協組合は、組合が発行する賃貸物件紹介冊子『京大生の住まい』の2016年度版から「留マーク」表示を廃止する方針だ。 留学生を積極的に受け入れる物件には「留」のマークが付されてきたが、表示が差別的だとする学生団体からの要請により表示を見直した。

「差別的な表示」との指摘

冊子には京大周辺の賃貸物件の家賃や備付設備などを記載。京大生協は十数年にわたり毎年『京大生の住まい』の物件に留マークをつけてきた。当時は留学生に対する理解が少なく、多くの家主が言語の違いや文化の違いに不安を感じ入居を拒否していたという。そのなかで京大生協は留学生入居を積極的に受け入れる物件にマークを表示することで、留学生が物件を探しやすいようにした。

しかし昨年9月、反レイシズム情報センター(ARIC)関西から、留学生であることだけで入居を拒否するのは人種差別であると指摘をうけ、京大生協内で検討を始めたという。京大生協組合の専務理事である中島達弥さんによると「生協としては全く悪意がなく、 マークは留学生にとってプラスだと考えていた」

中島さんによると、マークのない物件でも留学生を受け入れており、マークの意味はすでになくなっていた。「マークのついていない物件が積極的に入居拒否をしているというふうに受け止められてしまうのは確かで、表示が差別的だとの批判は妥当」今後は家主に対し留学生の入居拒否が人種差別撤廃条約との関係で問題となることを訴え理解を広げるという。

「本質的な問題はマークをなくす程度の単純な問題ではない。留学生差別をどう防ぐかが課題」と中島さんは話す。今後は留学生入居拒否の問題のみでなく、いわゆる社会的少数者に対する学内でのハラスメント対応の方針も固めていくとのことだ。