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理論に通じた実務家を養成 法学研究科 修士に新コース

2015.10.16

京都大学法学研究科は9月、来年度から法政理論専攻の修士課程に「先端法務コース」を設置する予定だと発表した。企業法務における問題に、法学の理論を交えて対処できる専門家を育成する。文部科学省からの認可が下りれば、12月にも学生を募集する予定だ。

法学研究科によると、企業法務の場では裁判で解決できない争いがよく起こる。実務家には、紛争の問題点や争点を理論的に分析し、波及効果を考慮した政策的な判断を下すことが求められるという。先端法務コースでは法科大学院が養成するような裁判法を中心に身に付けた実務家とは異なり、法務に関する調査能力や判断力を備えた人材を育てることを目標とする。担当者は「理論に通じた、研究活動に近い構想力をつけてもらいたい」と話す。

2004年まで法学研究科には「専修コース」があり、社会人に対する企業法務の教育の場となっていたが、法科大学院の発足とともに廃止された。そのため、先端法務コースでは社会人への実務教育も重視する。

研究者の養成のみを目的としてきた現行の教育課程は「研究者養成コース」に移し、研究者の育成を継続する。