文化

受験生への応援メッセージ2 入試が終わったら京都を満喫しよう

2008.02.16

「へー、京都に住んでるんだあ。じゃあお寺めぐりとかするんだね」
「え、まあ、いやな…あんまり。京都に住んでいる人ほど観光しないもんだよ」
京大生が在学中に3度はする会話である。入学する前はあんなに寺めぐりをしようと思っていたのに、いざ入学すると面倒くさくて観光しやしない。ならば京大生でない今こそ、京都観光のチャンスだろう。そんな皆さんのためにタイプ別試験後の京都観光を紹介しよう。

☆やっぱり京都でしょ。
京大から西にずんずんと進む。京都御所の西側にある蛤御門から入って南に進むと、桃林と梅林がある。250本近くの花が咲揃い、御所に彩りを添えている。桃と梅の花を愛で、その匂いに古都を感じてもよいだろう。また、蛤御門は幕末の禁門の変の舞台ともなった。今でも門柱に残る弾の後を指でなぞりながら、動乱の時代に思いをはせてもいいだろう。

☆活字に疲れたら、マンガを読もう
活字に疲れた受験生は、烏丸御池の京都国際マンガミュージアムに行ってみることだ。館内では20万点ほどのマンガが所蔵されており、閲覧もできる。最近では外相がマンガ好きを公言するなど、もはやマンガはサブカルでなく、日本の主要な文化として位置づけられている。しばし、試験のことを忘れ、「ジャパニーズ・クール」なるものの世界に耽溺しよう。

☆冷汗流して銭湯へ
試験中に冷や汗をかいてしまったあなた。まずは汗を流すことだ。幸いなことにここ左京区の京大周辺には銭湯がたくさんある。温泉じゃないの…と文句を言わず、銭湯の暖簾をくぐってみよう。ただの風呂だけでなくサウナや塩風呂、電気風呂をもつ銭湯もある。試験の汗を流した後は、となりで入っている人に話しかけてみよう。「京都で暮らす」というイメージがぐっと豊かになるはずだ。

☆猿となんとかは高い所に
京大から東には、吉田山と大文字山という山がある。吉田山は東一条通の東にある手頃な山。大文字山は今出川通の東、銀閣寺の裏手にある小高い山だ。さくさくと登って、京大を、そして京都を見下ろしてみよう。意外と京都は小さい、と思うかもしれない。今は、今だけは、他の受験生も、そして試験官すらもあなたの足もとに及ばない。

☆ゆく川の流れは絶えずして
山に登る気もないし、寺社を見る気力もない。そんなあなたは鴨川のせせらぎに身を任せよう。京大から西に5分。川べりではおっちゃんおばちゃん、カップルから犬までさまざまな生き物が鴨川を楽しんでいる。そんな人々が織りなす営みを虚心坦懐に見つめるもよし、一緒に走ってみるもよし、渡ってみるのもよいだろう。鴨川を訪れる人は絶えることがない。しかしまた、同じ人は一人としていない。(ち)