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GPA制度導入へ 学修指導に利用

2015.06.16

京都大学は4月、来年度以降の学部入学者に対してGPA制度を導入することを決めた。成績評価を数値化することで学習指導を効果的にすることが主な目的だ。多くの大学がGPAを利用している現状を踏まえ、導入に踏み切った。同時に履修取り消し制度を設ける。

履修取り消しも可能に

算出したGPAは学修指導に使われ、進級判定や卒業判定には用いられない。また、成績証明書には原則として記載されない。

これまで学修指導の指標には成績表や出席状況が用いられてきたが、成績を総合的に判断する数値は出してこなかった。GPAを用いて数値化することで、学修状況をより細かく把握できるようにし、指導効果を高めることを狙っている。また大学側は、成績が数値という明確な形で表されることで、学生がより自律的に学修するようになることを期待している。

GPAは国内外の多くの大学で利用されている。教育推進・学生支援部の教務企画課の担当者は「成績評価のやり方を標準に合わせることで、海外留学する際の指標に使いやすくなるのではないか」と話す。

また、GPAの導入に合わせ、学生による履修取り消しが可能になる。GPA制度では、試験を受けなかった科目のGPは0となり、平均が下がってしまう。学生は履修を取り消すことで、試験の不受験によりGPAが下がることを防ぐことができる。取り消しには指定された期間に申請することが必要で、科目によっては認められない場合もある。

制度の大枠は4月28日の教育研究評議会で承認された。7月には履修取消等の詳細が決まる見通しだ。