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白浜水族館がリニューアル 22年ぶりに内装を一新

2014.08.01

耐震化工事と内装改修のために休館していた京都大学白浜水族館(和歌山県)が7月5日、再開館した。22年ぶりに内装や設備を一新。水槽照明や通路照明をすべてLED(発光ダイオード)照明に変え、太陽光発電をとりいれるなど省資源化にも配慮した。

再開館に伴い展示設備も更新し、数センチ程度の小型のカニやヤドカリ、カイメンを展示する新コーナー「海の小さな動物たち」を設けた。また白浜町に棲息する国の天然記念物のオカヤドカリを展示する予定で、現在、文化庁に展示許可を申請している。

白浜水族館は1922年に京都大学の瀬戸臨界実験所の付属施設として設置された。1930年に一般公開され、京大はこれまで数度の増改築を行ってきた。昨年11月からは施設の耐震化と老朽化対策のため、約4億5千万円かけて展示水槽や飼育設備をふくむ全面的な改修工事を行い、工事期間中は休館していた。

年間7万人が訪れる白浜水族館は、白浜で採集される水生動物を年間743種・1万点を飼育し、なかでも年間500種類6000点にものぼる無脊椎動物の飼育に力をいれている。白浜近海と伊豆大島でしか見つかっていないオオカワリギンチャクは、国内では同館でしか見ることができない。

館長の朝倉彰教授は「白浜水族館は南紀白浜の豊かな海洋生物相を展示し、また無脊椎動物の展示では全国有数を誇っている。今回のリニューアルでより観覧しやすくなった。今後も充実した展示をめざし、広く社会教育や生涯学習に資していきたいと考えている」と述べた。