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新事業を文科省に申請 「京大ジャパンゲートウェイ構想」

2014.06.16

京都大学は新事業「京都大学ジャパンゲートウェイ構想」を、文部科学省が5月末まで公募していた「スーパーグローバル大学創成支援」に申請した。日本学術振興会がウェブ上で公表した資料から判明した。

京大では「京大グローバルアカデミー構想」の一環として、海外有力大学と共同で教育、研究、学位の認定を行う国際共同学位プログラムを創設し、同プログラムの実施・運営機関として「i‐CoKU」を設置する計画がある(本紙4月1日号参照)。今回申請された「京都大学ジャパンゲートウェイ構想」の内容は明かされていないが、これらの計画が含まれるものと思われる。

スーパーグローバル大学創成支援は文部科学省のスーパーグローバル大学等事業の1つとして実施されるもの。公募要領によると「『大学改革』と『国際化』を断行し、国際通用性、ひいては国際競争力の強化に取り組む大学の教育環境の整備支援」が目的とされる。対象機関は全国の国公私立大学。申請は5月30日で締め切られ、その後申請状況が公表された。

公募される事業には「タイプA:トップ型」と「タイプB:グローバル化牽引型」の2つの区分がある。1つの大学が両方のタイプに申請することもできるが、その場合片方が採択された時点で、残りは自動的に不採択となる。今回京大はこの支援プログラムに「京都大学ジャパンゲートウェイ構想」を「トップ型」として申請した。

「トップ型」は「世界大学ランキングトップ100を目指す力のある、世界レベルの教育研究を行うトップ大学が対象」とされ、京大を含む16大学が申請している。文部科学省によると、どの世界大学ランキングを用いるかについては明確に決まっているわけではないが、イギリスのタイムズが発行する雑誌『Times High-er Education』に掲載されるものを一つの指標として用いるという。また、同誌の最新のランキングでは東大が23位、京大が52位と、すでにトップ100に入っているが、同省によればこの場合、さらに上位を目指すことになるという。

一方の「グローバル化牽引型」は「これまでの実績を基に更に先導的施行に挑戦し、わが国の社会のグローバル化を牽引する大学」が対象とされ、93大学が申請している(両方のタイプに申請した5大学を含む)。

採択された大学には最大10年間の支援が実施される予定。事業が採択された場合の補助金の目安は、「トップ型」で年間4億2000万円、「グローバル化牽引型」で年間1億7200万円となる。採択される事業の件数は「トップ型」で10件程度、「グローバル化牽引型」で20件程度とされ、スーパーグローバル大学創成支援プログラム委員会による審査を経て、9月頃に結果が通知される予定。なお、採択された構想については、構想調書も公表されることになっている。