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吉田寮食堂西に増棟へ A棟建設と現棟老朽化対策に向けて前進

2012.10.01

9月18日、学務部2階会議室にて、赤松明彦副学長と吉田寮自治会との間で交渉が行われた。今回の交渉で、A棟建設の合意と、吉田寮現棟の老朽化対策に向けて協議を継続することの確認をもって、確約書(本紙に掲載)の締結に至った。



4月23日に吉田寮食堂に関して団体交渉の場が持たれた(本紙5月16日号参照)が、その後も、A棟建設及び現棟老朽化対策に関する交渉は続いた。

A棟建設について、当初、大学当局は大規模鉄筋コンクリート(以下RC)造を提案した。その理由は、定員の増強や耐震性による。他方、吉田寮自治会は小規模木造を希望。小規模でも当局の求める最低定員(76名)を満たせることや、A棟建設により学務部予算がどれだけ増えるかわからない中で大幅に定員を増やすことのリスクを主張した。また、木造とRC造で耐震性に差はない。加えて、RC造より木造の方が快適に過ごせることを訴えた。ただし、建築法では、木造建築物は地上3階以下、延べ床面積1500平方メートル以下にしなければならないことになっている。しかし、木造2棟をRCでつないだ混構造にすれば、2棟あわせて木造部分で1500平方メートルを越えることができる。そこで、A棟を混構造とすることで合意に至った。具体的な構造については今後、施設部と吉田寮自治会との間で検討が続けられる。

一方、現棟の老朽化対策については、大学当局の建て替え案に自治会が反対。現状を出来る限り維持した補修を求めた。当局は建て替えについて、定員の増強や安全性を理由に挙げた。他方で自治会は、定員だけが福利厚生施設の良し悪しを決める要因ではないことや、耐震補修が可能なこと、火災報知機の増設やスプリンクラーの設置などで防火性は向上できることを挙げた。また、現棟の建築史的価値や、吉田寮食堂及びA棟などと共に一帯を木造建築群として残すことの意義を訴えた。最終的に、現棟の補修が有効な手段であることを両者が確認した。現棟の老朽化対策に関する交渉は今後も続く。

今年9月をもって役員人事が変わるため、吉田寮自治会と、赤松副学長自身も任期中に確約を結びたいと考えていた。8月31日の交渉で、自治会が確約書(案)を副学長に提出。その後、9月11日の部局長会議にて赤松副学長が確約の方針を説明したところ、反対意見はなかったため、これをもって全学的な承認を得たことになった。これを受け、9月18日に交渉の場が設けられた。

9月18日の交渉では、まず、事前に自治会から提出された確約書案を元に、学生生活委員会第三小委員会による修正案が提示された。これに対し、自治会は当初の確約書案を再度提示。当局との調整が続いた。最終的に、当局の提案が多少反映され、内容はほとんど当初案のままという形で、確約書が締結された。

なお、赤松氏は10月以降も副学長を続投する。