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今夏も「節電」実施 内容は昨年を踏襲

2012.07.16

京都大学施設部環境安全保健課は昨年に引き続き、今年も夏の電力不足に備えて2010年度比マイナス15%の実績を上げるため、節電プログラムを策定し各部局に通知した事を7月2日、大学ホームページにて発表した。

節電プログラムは、文部科学省・経済産業省からの要請を受けて実施される。要請された期間は7月2日から9月7日までだが、京大は独自に9月28日まで行う。

また、政府は7月9日、関西電力大飯原子力発電所3号機、4号機の再稼働を理由として、同電力管内の今夏の節電目標を2010年度比マイナス15%からマイナス10%へと変更したことを発表。これを受け環境安全保健課は、今夏の節電目標を2010年度比マイナス10%へと変更したことを7月10日に発表した。

節電プログラムは昨年度と同じく、各フェーズ(フェーズ0から5)に分かれており、節電電力の大きさに応じて段階的に実施される。なお、病院施設(事務部門を除く)は実施対象外になっている。

「フェーズ0」は京都大学が節電を社会的責任と捉え、通年で実施しているものであり、具体的な対策内容は、パソコンの省エネ設定や、研究室や事務室等のエアコンの温度設定(冬期:20℃、夏期:28℃)の徹底等である。今夏における節電プログラム実施期間内では、政府からの要請に応えるため、「フェーズ1」が実施される。具体的な対策内容は、照明の間引き点灯、エレベータの稼働台数の削減、自販機等の消灯や稼働台数の削減等だ。

「フェーズ2」の具体的な対策内容は、健康に被害のでない範囲で講義室、事務室、研究室等の実験に支障をきたす場所を除いたエアコンの停止等だ。

「フェーズ2」については、大学の電力需要を見ながら、必要に応じて各部局に実施の連絡がなされる。また、関西電力管内における電力需要に対する供給予備力(電力会社が万が一のために電力需要より多めに保持している供給力)が少なくなると、近畿経済産業局から電力逼迫警報が発令される予定であり、この場合も環境安全保健課から各部局へ「フェーズ2」の実施が通達される。「フェーズ2」が確実に実施された場合、2010年度比マイナス15%が達成されると想定されているが、昨年度「フェーズ2」は宇治地区で何度か実施されただけである。

「フェーズ3」以降の実施については想定されていないが、季節的な電力変動等、不確定な要素もあるため、実施される可能性もあるという。しかし「フェーズ3」以降は学内での生産性を下げるため、「フェーズ3」の実施に至らないためにも、フェーズ0、1、2を確実に実施するよう施設部は求めている。

今夏、関西電力管内において計画停電が実施される可能性があるが、京都大学の吉田地区、桂地区、熊取地区については対象外となっており、影響があるのは宇治地区や全国各地の研究施設、西部構内の最寄りの電線から電気を引いている一部の建物、医学部にある女性研究者支援センター等となっている。計画停電の実施が決定された場合、影響がある地区については、各部局で個別に対応するよう施設部は求めている。