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全国初 大学敷地内に交番 同志社大「地域貢献の一環として」

2012.07.01

同志社大学は、京都府警および地域住民から要望を受け、敷地の一部を交番移転のために提供することを決定した。地域への貢献が目的。大学の敷地に交番が建設されるのは全国で初めてという。

移転するのは京都市上京区の上御霊前交番。現交番は老朽化などが問題となっている。京都府警は同志社大に交番移転のために用地を提供してほしいとの要望を提出した。また地域住民から成る室町自治連合会からも京都府警とは独立に、同様の要望が寄せられたという。

要望を受けて同志社大は、3月15日の部長会で用地の無償貸与を決定した。広報課によれば同会で反対の意見はなかったという。提供する敷地は、同志社大が現在新たに建設している烏丸キャンパスの一角。烏丸キャンパスは昨年7月に着工し、今年11月に開校する予定。今出川キャンパスの北に位置する。同志社大はその北西隅(地図参照)の約110平方メートルを交番の用地として無償で貸与する。京都府警が買い取るのではなく同志社大が貸与するため、大学の敷地(私有地)に交番が建つことになる。

交番が建つのは大学の敷地内だが、キャンパスの内ではなく外。学生への配慮として、区画をはっきり分け、壁を設けるなどの対応をとるとしている。

学生支援課によれば、事前に学生への周知は行っていなかったという。新聞記事で初めて事態を知った学生らからは「学生に何の説明もなく交番を建てるのはおかしい。毎年100万円もの学費を払っている学生を無視しないでほしい」と批判の声も上がっている。