文化

京大雑記 第3回 予算消費するくらいなら学費を下げてよ

2007.12.16

京大の「部局別財務状況」が公開された。これは04年度から06年度までの予算執行状況を財源別や月別に表にしたものである。年度ごとの各部局の大学運営費(物件費)月別執行状況という図表が特に目を引く。

図上、X軸が時間軸(月)、Y軸が執行金額(億円)である。運営費(物件費)とは、消耗品費やら図書費やら、人件費やら修繕費やらのこと。

あからさまに3月で跳ね上がっており、これを見たら普通の学部生でも「予算消化」というフレーズが頭に浮かぶ。年度末に道路工事を忙しくする公共事業体と京大の状況はあまり変らないのだな、と。いや、もしかして何か事情があるのだろうか、と知り合いの職員に聞いてみた。部局の会計を担当した経験のあるその職員によると「何かあったときにお金がないと困るから、必然的に年度の前半の予算執行は控えめになる」という訳らしい。

また、別の職員に聞くと「予算のなかでも外部から獲得した競争的資金は決算が厳しいため優先的に使い切るから、運営費は必然的に後回しになるのでは」とのこと。

どちらも京大の公式見解ではないことを断っておいたうえで(この種の話に公式見解なんてないだろう)、どちらの説明も歯切れが悪いと指摘しておく。法人化だ、産学連携だと言って、寄付金募って受託研究して経営努力を謳っても、一方でまだまだ「親方日の丸」体質ではありませんか。ダブルスタンダードはよくない。

消化するぐらいなら、その分で授業料を下げてほしい。東大博士課程みたいにさ。なにせ3月だけで、授業料収入(約130億円)のほぼ2分の1にあたる約60億円弱もの運営費を執行しているのだ。原理的には「経営努力」によって値下げも十分可能ではないのか。(ぞ)

《本紙にグラフ掲載》

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