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本部構内 交通規制構想浮上 駐輪許可制導入など

2011.09.15

学内での交通事故や自転車が通路にまで溢れるなどの問題改善を目的として京都大学は交通規制構想「本部構内の交通安全の確保(案)」を進めていることが分かった。構想が実施されれば、京大構成員の自転車等へ入構許可証発行や、自動車の駐車有料化、カーゲート設置など、構内の交通環境が様変わりすることになる。

同構想では「歩行者が安心して歩けるキャンパスをつくる」ことを主眼とし、その措置一環として自転車等といった二輪の駐輪環境改善と、自動車駐車の抑制を掲げている。

まず自転車について、現在本部構内の駐輪数約6700台のうち正規駐輪場以外での路上駐輪が3000台近くを占めており、附属図書館前などは駐輪エリアから自転車が通路まで溢れる過密状態となっている。これを解消するため、まず路上駐輪されているエリアの一部を正式の駐輪場に変え、自動車駐車場の一部を駐輪場に転換等することで、約2500台分のキャパシティを増設。過密状態の解消を目指す。さらに屋根付き駐輪場やサイクルラック導入など駐輪場の環境改善もはかる考えという。

他方で「駐輪が過密であり、時計台周辺の美観向上の必要性もある」時計台裏―法経本館の空間を「歩行者が安心して歩けるスペースを確保」するために駐輪禁止エリアにすることを検討しているという。

また「学外者の駐輪が多い可能性がある」として、同時に大学構成員全員に入構許可証シールを無償で配布。学内者と学外者の識別を出来るようにし、シールがついていない車両は撤去する。シールにはバーコードを付けるなど個人を特定できる仕組みにすることも検討されている。機構側によれば講演会や図書館利用等での来学者用に、時計台周辺に来学者用駐輪場を別途設置する予定だという。

一方で自動車に関しては駐車のキャパシティを減らすのに加え、駐車有料化やカーゲート設置による一時入構の規制強化、駐車量の抑制をはかるという。これらが実現すれば、一部駐車車両が西部構内に流入する可能性があるため、利用関係団体で西部構内の自動車入口施錠強化が検討されている。

吉田キャンパス内の交通のあり方については、近年は学内でも殆ど論じられることが無かったが、「本部構内の駐輪場不足・放置自転車の発生・自動車と歩行者の接触事故の危険等、懸案は多く、改善する時期に来ている」とされ、今年5月に「本部・総合人間学部構内交通問題部局長会議」が約10年ぶりに開かれた。同会議で機構を中心に検討を重ねる中で同構想に至ったという。13日の部局長会議で提案をし、早ければ来年度からの実施を目指しているという。中長期的には北部構内、吉田南構内など吉田キャンパス全体で同様の施策を今後検討する考え。なお、22日の情報公開連絡会では機構側から学生らに向け説明がなされることが決まっている。機構では「学生側の意見も十分に聞きたい」と述べている。

次回情報公開連絡会

日時:9月22日12時〜、会場:学務部2階会議室、学内関係者は誰でも参加可能