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未来フォーラム「自分は何にでもなれる」はてな・近藤社長が語る

2011.08.14

7月13日、百周年時計台記念館で「第49回京都大学未来フォーラム」が開催され、近藤淳也・株式会社はてな社長による講演「ウェブコミュニティの設計と運営」が行われた。

ウェブの専門的な話ではなく、近藤氏のこれまでの経験を中心に講演を行った。小学校の頃のエピソードから会社を立ち上げた苦労話まで、幅広く紹介をされ、参加者は熱心に耳を傾けていた。

京都大学在学時には自転車レースに参加し、追いつかれるのではないかという高揚感から、そのような高揚感を得るためにはリスクをとらなければならないことを学び、本当にやりたいことができた時にはリスクをとって前に出ようという考えに至ったという話。

3回生の時に行った自転車によるアメリカ横断では、現地の人に京都大学に所属していることを話しても誰も知らず、「自分は何者でもない」ことを知り、同時に「自分は何者にでもなれる」ことを感じたこと。単調な景色が続く道を走っていた時に偶然ウォークマンを拾い、音楽を聴くと音楽が体に染み入り、そこからウォークマンは、技術の力で人類を少し進化させている、と感じ、技術に創意工夫を加え、人類を進化させるような職業になれたら最高だ、と思って日本に帰ってきたことなどを紹介した。

さらに「はてな」の起業に際しては父親がインターネットの利用について苦労していたので、Googleの検索方法を教えてあげたのがきっかけになったということや、現在に至るまでの会社運営に関する苦労話やその時の考えについてなどといった話もした。

最後に近藤氏はこれから作っていきたいウェブサービスについて、「人と人との繋がりを促進する」、「価値ある情報を伝える」という二つの軸をベースに挑戦していきたいと話した。

未来フォーラムは、あらゆる分野で活躍する京大出身者を招き、講演するというもの。近藤氏は京大理学部出身。在学時にはサイクリング部に所属していた。卒業後に「有限会社はてな」を設立し、組織変更を経て現在「株式会社はてな」社長である。(空)

《本紙に写真掲載》