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全学で節電開始 エアコンなど使用禁止の可能性も

2011.07.27

京都大学当局は、夏の電力不足に備えて独自の節電プログラムを策定し各部局に通知したことを6月21日発表した。プログラムはフェーズ0から5までの6段階が設定されており、7月1日からフェーズ1が実施されている。

今回発表された「節電プログラム」はパソコンの省エネ設定やエアコンの温度設定28度の徹底といった普段の状態を「フェーズ0」とし、これらに加え7月1日から9月30日までの「フェーズ1」では、コピー機やプリンター、エレベーターなどの稼働台数の削減といった措置を行うよう各部局に求めている。更なる節電の必要が生じた際に実施予定の「フェーズ2」では、講義室でのエアコン停止、非実験用の電子レンジ・冷蔵庫の原則使用禁止等が盛り込まれている。

同プログラムでは「フェーズ2」が確実に実施されれば削減電力が目標の15・6%を達成するとしている。しかし季節的な電力変動等の不確定な要素に対応するため「フェーズ3」以降の段階も定めたという。

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発表された節電プログラムのフェーズ

施設部では停電という不測の事態が起こり、研究・教育に支障をきたすことがないよう、各部局・建物の電力使用状況をモニターし、報告するという。プログラムの実施(目標)を守れない部局に対しては当該部局長に対して強い要請文書の発信及びホームページ等で当該部局等の実施状況を公開する。現在京都大学ホームページでは大学の主要5団地の最大使用電力推移を公開している。

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各所で節電が実施された。エレベーター、照明、図書館の検索用パソコンなどが停止。

6月14日に京都大学は関西電力から電力の15%削減要請を受けていたが、関西電力の要求では15%という数値の導出が曖昧になっている上、病院を含む全ての建物に対して削減を要求していたことから対応を見送っており、6月16日の情報公開連絡会でも「京大として特別な節電対応は取らない予定」とのアナウンスがなされていた。しかし「大学として社会的責任を果たすため」大嶌幸一郎環境安全保健機構長を中心に施設部が独自のプログラムを練り、20日の拡大役員懇談会、21日の教育研究評議会を経て発表に至ったという。

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一方で京大の「シンボル」ことクスノキ周辺は何事もないかのようにライトアップ。

今プログラムを受けて、学務部は学生が主にBOXとして利用している西部課外活動棟において廊下・共用室の蛍光灯を一部取り外し、各サークルのBOXでも電力消費を抑えるよう呼びかけている。

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福島第一原子力発電所の事故を受け、原発が立地している地元の福井県が、定期点検で一時停止している原発の再稼働に慎重な対応を求めている。関西電力はそのためこれから夏にかけて電力需要が増加し供給量が不足する可能性があるとし、6月9日に関西の自治体や企業・家庭などに15%の節電要請をしている。