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霊長類研究 2組織が新設 進化研究とガバナンス強化目指す

2026.03.16

京大は5日、霊長類研究分野の組織として「ヒト行動進化研究所」と「霊長類フィールド研究センター」を4月1日付で新設することを発表した。それぞれの研究手法の強みを活かし、前者は実験的研究を、後者はフィールド研究を担う。両組織は相互連携により、ヒトの行動特性の進化の解明を目指すと同時にガバナンス強化を図る。京大の霊長類研究については、不正支出などをめぐって2022年に旧霊長類研究所が解体されている。

2つの新組織はそれぞれ得意とする研究手法を活かした役割を担う。ヒト行動進化研究所は犬山キャンパス(愛知県)のヒト行動進化研究センターを前身とし、ヒトに近縁なサル類の豊富なリソースを活用した実験的研究により、ヒトの老化や感染症などの社会課題を生物学的視点から解決することを目指す。同時に企業や国内外の研究機関との共同開発・共同研究により、世界水準の研究基盤を強化し、「次世代の霊長類研究を牽引する国際拠点」に発展することを狙う。

一方で霊長類フィールド研究センターは理学研究科の附属組織として吉田キャンパス(京都市左京区)に設置される。霊長類フィールド研究者を吉田キャンパスに集約することで全学的な連携体制を発展させるのが狙いで、今後、学内連携のハブ的役割を担うという。

京大は研究の透明性と倫理性を高度に担保することに留意しつつ、キャンパスごとに組織を明確に分けた新体制の必要性を強調する。京大の霊長類研究については2022年、架空取引などの計5億円の不正を受けて旧霊長類研(犬山市)が解体され、ヒト行動進化研究センターに改組された。なお昨年10月、不正支出問題をめぐる一連の訴訟について、京大と松沢哲郎・元所長の和解が成立した。