選ばれる大学づくりをトイレから 学生が考える「しあわせトイレ」
2026.01.16
「京大の施設環境は他国の大学と比べて競争力が足りない」。そう語る三木恵里子さん(教育学研究科・博士後期課程)は、メンバー3人とともに「しあわせトイレプロジェクト」と題して、誰もが居心地の良いトイレづくりを考えるための量的調査や、研究者や施設などへのインタビューを行い、SNSでの発信を行っている。プロジェクトは、京大が最大100万円の研究費用を支援する「女子学生チャレンジプロジェクト」に今年度採択されており、3月には京大に対しトイレの環境整備について提案する予定だ。
三木さんはアメリカの大学を訪れた際、照明やインテリアなどが整備されている施設に京大との大きな差を感じたという。トイレに注目した理由は、京大全体を居心地の良い環境に変えていくのは難しいかもしれないが、トイレに絞ればできるのではと考えたから。また、アメリカの大学でもトイレについて試行錯誤が行われている様子を見て、大学におけるトイレのあり方には議論を行う余地が十分にあると考えた。妊娠・出産や月経、月経前症候群(PMS)、更年期障害などの当事者である女性の視点から京大のトイレを見ると、「妊娠中の状態でこのトイレは使えるのか」「この環境で長く働き続けたいか」と疑問に思う点が多いという。また、三木さんは現在中高の教員として勤務していることもあり、生徒が学校を選ぶポイントには居心地のよさもあると考えている。「トイレが汚かったり少なかったりしたら、自分は受け入れられていないという疎外感を与えてしまう」。そのような問題意識から、活動を進めている。
三木さんは京大のトイレの具体的な問題点として、女性トイレや男性トイレの個室が不足する建物があるほか、掃除が行き届いていなかったり、ぼろぼろの貼り紙が残されていたりする点を挙げた。また、非常ブザーを鳴らしてもその場で音が出るだけで、窓口に通じない箇所もある。「トイレの増設や改修工事には時間と費用がかかるが、掃除や貼り紙の見直しは比較的すぐに柔軟なコスト設定で取り組めるのではないか」と三木さんは話す。
これまでプロジェクトでは、「学校のトイレ研究会」会長の豊貞佳奈子・福岡女子大教授へのインタビューやTOTOミュージアムの見学など、合計7名と他大学を含む15団体に取材してきた。他大学の取り組みについて、同志社大学では、どういうトイレづくりを目指すかというポリシーをもって、議論を重ねながらダイバーシティに配慮したオリジナルのピクトグラムを作成するなど、継続的な取り組みを進めているという。グループは京大の各部局にも取材を依頼したが、「どの部局からも、トイレについては施設課と相談して設置したと聞いたが、施設課には取材ができず、施設課としてのトイレについての考え方を知ることができなかった」という。このような京大の姿勢に対し、三木さんは「ポリシーをもって、構成員からのヒアリングや議論を重ねて取り組んでほしい」と語った。
三木さんは上田菜央さん(農学研究科)、藤森弥子さん(医学研究科)、松本康雅さん(工学研究科)の3人とともに活動してきた。女子学生チャレンジプロジェクトとしての活動期間は今年の3月まで。オールジェンダートイレを設置している他大学への取材や、留学生が宗教や文化の違いからトイレの利用に関して困っていることの調査など、これからも追究したい点が多くあるという。三木さんは「この流れが終わるのはもったいない。大学に対して声をあげるという姿勢を後輩に引き継いでいきたい」と語った。
1月21日には、国際イノベーション棟5階HORIBAホールにて、「トイレの未来~『しあわせトイレ』に向けた京都大学の挑戦~」と題したイベントを開催する。プロジェクトの中間報告や、メンターの柴田悠教授(人間・環境学研究科)の講演、パネルディスカッションが行われる。17時開始(16時半受付開始)で定員は150名。参加費は無料。事前申し込み推奨だが、当日参加も可能。(悠)
三木さんはアメリカの大学を訪れた際、照明やインテリアなどが整備されている施設に京大との大きな差を感じたという。トイレに注目した理由は、京大全体を居心地の良い環境に変えていくのは難しいかもしれないが、トイレに絞ればできるのではと考えたから。また、アメリカの大学でもトイレについて試行錯誤が行われている様子を見て、大学におけるトイレのあり方には議論を行う余地が十分にあると考えた。妊娠・出産や月経、月経前症候群(PMS)、更年期障害などの当事者である女性の視点から京大のトイレを見ると、「妊娠中の状態でこのトイレは使えるのか」「この環境で長く働き続けたいか」と疑問に思う点が多いという。また、三木さんは現在中高の教員として勤務していることもあり、生徒が学校を選ぶポイントには居心地のよさもあると考えている。「トイレが汚かったり少なかったりしたら、自分は受け入れられていないという疎外感を与えてしまう」。そのような問題意識から、活動を進めている。
三木さんは京大のトイレの具体的な問題点として、女性トイレや男性トイレの個室が不足する建物があるほか、掃除が行き届いていなかったり、ぼろぼろの貼り紙が残されていたりする点を挙げた。また、非常ブザーを鳴らしてもその場で音が出るだけで、窓口に通じない箇所もある。「トイレの増設や改修工事には時間と費用がかかるが、掃除や貼り紙の見直しは比較的すぐに柔軟なコスト設定で取り組めるのではないか」と三木さんは話す。
これまでプロジェクトでは、「学校のトイレ研究会」会長の豊貞佳奈子・福岡女子大教授へのインタビューやTOTOミュージアムの見学など、合計7名と他大学を含む15団体に取材してきた。他大学の取り組みについて、同志社大学では、どういうトイレづくりを目指すかというポリシーをもって、議論を重ねながらダイバーシティに配慮したオリジナルのピクトグラムを作成するなど、継続的な取り組みを進めているという。グループは京大の各部局にも取材を依頼したが、「どの部局からも、トイレについては施設課と相談して設置したと聞いたが、施設課には取材ができず、施設課としてのトイレについての考え方を知ることができなかった」という。このような京大の姿勢に対し、三木さんは「ポリシーをもって、構成員からのヒアリングや議論を重ねて取り組んでほしい」と語った。
三木さんは上田菜央さん(農学研究科)、藤森弥子さん(医学研究科)、松本康雅さん(工学研究科)の3人とともに活動してきた。女子学生チャレンジプロジェクトとしての活動期間は今年の3月まで。オールジェンダートイレを設置している他大学への取材や、留学生が宗教や文化の違いからトイレの利用に関して困っていることの調査など、これからも追究したい点が多くあるという。三木さんは「この流れが終わるのはもったいない。大学に対して声をあげるという姿勢を後輩に引き継いでいきたい」と語った。
1月21日には、国際イノベーション棟5階HORIBAホールにて、「トイレの未来~『しあわせトイレ』に向けた京都大学の挑戦~」と題したイベントを開催する。プロジェクトの中間報告や、メンターの柴田悠教授(人間・環境学研究科)の講演、パネルディスカッションが行われる。17時開始(16時半受付開始)で定員は150名。参加費は無料。事前申し込み推奨だが、当日参加も可能。(悠)
